第3回
間取りが悪い
2011.05.17 [平岡 さなえ]
お客様の住まいを拝見した際、まず、どうして片付かないか分析します。
前回お話したようにただ物が多いから片付かない場合は「住まいのダイエット」をしますが、どう考えても間取りが悪いという家が全体の7割以上あります。
その中には、自由設計で建てた家も少なくありません。
建売やマンションなどは住む人が特定できずに間取りを考えるので、仕方がない部分もありますが、自由設計で家を建てるときには、施主様のライフスタイルや持ち物に合わせて設計しているはずなのに間取りが合っていないとは可哀そうに思います。
どうしてこのような片付かない設計になってしまうのかというと、設計者が収納計画のノウハウを分かっていないからです。設計士やインテリアなどの勉強の中には「収納」の勉強は出てこないのです。家を建てる際に収納のご相談を受けると思いますが、残念ながら設計者自身の経験だけで収納計画が進められているので、片付く住まいの間取りが出来上がらないのです。
施主様が新築引越後どのような暮らしぶりをされているか、設計者はほとんど目にすることはなく、片付いた暮らしをされているかどうかは分からないのです。
これまで数多くの設計者と収納について話をしてきましたが、私には信じられない以下のような言葉が返ってくることが多く、収納計画はあまり真剣に考えられていなといということがわかりました。
○空間の余った部分に収納をつくった
○各部屋に収納をついていれば良いと思った
○一般的な収納をつくった
○構造計算などたくさん時間をかけなければいけないので
収納にまで時間がかけられなかった
○収納場所はつくるけど、片付くかどうかはお客様しだいだと思う
これでは、片付く住まいなどできるはずありません。
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