第4回
物の把握
2011.05.31 [平岡 さなえ]
私が収納プランナーとして仕事をするようになって知り、驚いたことがあります。それは、新築注文住宅を建てる際、設計者が1度も現在の住まいに出向くことなくプランが進められ、家が建っていくということです。当然、すべての家ではないですが、特に首都圏の注文住宅やハウジングメーカーで建てる場合は、このような進め方で家が建っていく場合が多いようです。
設計者の多くが、施主様によって持っている物が違い、偏りがあることを詳しく聞かずして収納計画を進めています。表面的には聞いているように見えても、施主様任せの部分があり「一般的な収納」ですませてしまうことがほとんどです。
設計者が家に出向いて施主様のライフスタイルを実際に確認しないと、間取りに反映することはできないと思います。どれくらいの物を持っているか、また、片付けは好きな方なのか、苦手な方なのかも分からず収納計画をたてられるはずがありません。このような進め方で間取りが考えられていくと、片付く間取りができないことがお分かりいただけるのではないでしょうか。
収納計画は、施主様と設計者の双方が取り組んでいかなければ、満足できる計画にはならないのです。
家を建てる際、満足できる収納スペースを作るためには、まず、家の物の把握をすることです。最初、この作業は施主様家族が取り組まなければいけません。現在、家の中にどのような物がどれだけあるか把握していきます。ご自身の物、家族の物であっても意外に家の物を把握している人は少ないのです。
コメント