第12回
エイジレスライフの価値観
2011.09.20 [内山 悟志]
「第10回エイジレスライフの自分ポートフォリオ」でも、何を持っていれば幸せで、何を持っていなければ不幸だというものではないと述べたように、人それぞれの価値観によって、豊かなエイジレスライフの定義も異なってくるだろう。
何を持って豊かな生活というべきか
豊かな生活は必ずしも経済的な余裕があることだけを意味するものではない。健康面や人間関係など、さまざまな観点において満ち足りて不足のないさまこそ「豊か」と呼ぶにふさわしいのではないだろうか。
その際に重要となるのは、価値観である。価値観は、物事を評価する際に何にどういう価値を認めるか、すなわち、何を大切に思うかという判断基準となる考えといえる。ここでは、「お金」と「喜び」という2つの軸で整理してみることにしよう(図1)。
図1.豊かなエイジレスライフにおける価値観
まず、縦軸の「お金」については単純化すると「稼ぐ」と「使う」の2つに分類される。お金がなければ使うことはできないので、「稼ぐ」と「使う」は相対する概念というよりは、どのようにバランスを取るかということが問題となる。一方、横軸の「喜び」は、大きく「個人充実」と「社会参加」に分類される。これについても、社会参加することが個人の充実感をもたらすこともあろうし、個人的な楽しみを社会へのつながりのきっかけとすることもできる。したがって、ある個人の価値観が4つの象限のどこか1つに位置づけられるというのではなく、この4つのそれぞれに対してどのような重みづけをするかが、その人の価値観を表すといってよい。
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