内山悟志の骨太エイジレスライフのすすめ

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第8回
エイジレスライフの4つのステージ(その2)

前回は、エイジレスライフの4つのステージのうち、最初の2つである「再評価段階」と「解放段階」について述べた。今回は、残りの2つである「まとめ段階」と「アンコール段階」について述べるとともに、経験や生活環境と各ステージを通過するタイミングや期間との関係について付け加える。

まとめ段階とアンコール段階

まとめ段階:知恵や経験を伝えたい欲求

一般に、再評価段階および解放段階を経て、60歳代後半から70歳代になるとまとめ段階が訪れる。この段階では、これまでの自分の人生を振り返り、総括と恩返しをしたいという気持ちが強くなる。これまでに自分が蓄積した、富、知恵、経験を多くの人に伝えたり、分け与えたりしたいと考えるようになる。ボランティアや地域活動への参加や自分史や回顧録の執筆は、まとめ段階の特徴的な行動特性といえる。趣味の日記や個人的な研究成果をブログなどで惜しげもなく公表するのは、社会や人々と何らかの形でつながっていたいという気持ちと、社会や文化の継承者として恩返しをしたいという気持ちが込められていると考えられる。

アンコール段階:自分のペースで人生を集大成

通常70歳代後半に始まり、80歳代から人生の最後にかけて現れるのがアンコール段階である。この段階では、これまでの自分の人生のあらゆる経験やテーマが次々に蘇り、これらを集大成しつつ、ゆっくりとしたペースでこれらを満喫したいという気持ちになる。まったく新しいことに挑戦することよりも、これまでやってきたことを淡々と続ける、あるいは、以前やっていたけれども何らかの理由で中断していたことに再挑戦するといった行動をとる。肉体的には衰えても同じことを同じようにできたり、より上手くできたりすることに喜びを感じ、熟達すること、少しずつ完成に近付けること、何か形として残すことに静かなエネルギーを燃やし続ける。

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