内山悟志の骨太エイジレスライフのすすめ

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第7回
エイジレスライフの4つのステージ(その1)

再評価段階と解放段階

それでは、各段階における行動特性を考えてみることとしよう。

再評価段階:本当の自分探しの旅の始まり

平均寿命を80歳と考えると40歳はまさに折り返し地点である。また、一般的なビジネス人生を22歳(大学卒)から60歳(定年退職)と考えても40歳はほぼその中間地点にあるといえる。人は、折り返し地点に立ったこの時期になって初めて、過ぎ去った時間ではなく、残された時間を意識するようになる。さまざまな経験を積んできたことにより、この段階では、ものの見方や考え方がやや俯瞰的になり、その結果、仕事や人生に対してネガティブとポジティブの両方における価値観の変化が生まれる。ネガティブな面としては「自分はこのまま仕事に追いまくられて過ごしていていいのか」といった感情であり、一方ポジティブな面としては「もっと自分らしい生き方があるのではないか」という問いかけである。これらは、ある意味表裏一体の感情の表れであり、「本当の自分探しの旅」の始まりといえる。

解放段階:自己革新と新たな行動への挑戦意欲

再評価段階を経て50歳代半ばを過ぎると、仕事にせよ子育てにせよ、これまで自分の任務のように感じていたものに対して一定の達成感が生まれ、自分を抑制していた事柄から解放される時期が訪れる。いまさら誰かと競ったり、誰かに自分を誇示したりする必要性を感じなくなり、多少のリスクを許容する余裕が生まれる。それと同時に、「今やるしかない」という気持ちが強くなり、自己革新と新たな行動への挑戦意欲が最も高まる。一定の地位や収入を手に入れた役職者が、早期退職プログラムを利用して独立起業したり、田舎暮らしを始めたりするのは解放段階の行動の代表例といえる。

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