第5回
元気で活動的なエイジレスライフ
2011.06.07 [内山 悟志]
第3回「エイジレスライフとは何か」では、40歳ぐらいから助走期間を含めて次第にエイジレスライフが始まると述べた。一方、65歳以上の暮らしぶりをみると、それ以前の40代・50代と変わらないアクティブなエイジレスライフをおくる人々が非常に多いことに気づく。
活動的な65歳以上の暮らしぶり
総務省や各種機関による高齢社会に関する調査は、一般に65歳以上を対象としている。市場を分類したリ、実態を調査したりする上で、年齢は1つの基準となることは事実である。しかし、年齢が65歳以上の人々が同じようなライフスタイルや消費特性を持っているわけではない。
例えば、健康状態(良い/普通/悪い)と経済状態(ゆとりがある/普通/苦しい)の2つの軸で分類すると図1に示すような9つの象限で表現でき、そこには点線で囲った3つの大きな分類が存在する。これに、内閣府の「高齢者の生活実態に関する調査」のデータを当てはめると、経済的に苦しいと回答した人が26.4%、健康状態が悪いと回答した人が23.3%(ただし、それぞれには経済面でも健康面でも苦しい/悪いとした人が9.5%含まれている)、そして、経済的にも健康上の点からも普通以上と回答した人が59.8%を占めていることがわかる。
このように65歳以上の高齢者市場を健康状態と経済状態の2つの軸で分類して簡単な分析を行っただけでも、65歳未満の人を含む全人口と何ら変わらない経済的にも健康上の点からも問題なく自立的に活動できる人々が約6割を占めていることがわかる。
別の内閣府の調査(平成20年)では、65歳以上で「ほとんど毎日外出する」割合は、 男性が59.6%、女性の48.1%といずれも高い数値を示している。また、厚生労働省の調査(平成16年)では、60~64歳の男性で「仕事をして収入を得た人」の割合は68.8%であり、「年齢に関係なくいつまでも働きたい」と回答した人は33.3%にのぼる。一般に高齢者と呼ばれる人々の暮らしぶりが活動的であり、非常に意欲旺盛であることが伺える。
図1.健康状態と経済状態を軸とした市場分類の例
出典:内閣府「平成20年度 高齢者の生活実態に関する調査」をもとにfromNowが作成
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