第2回
なぜ、エイジレスライフ・アナリストとなったのか(その2)
2011.04.19 [内山 悟志]
筆者がエイジレスライフ・アナリストになった理由について、前回はIT業界と同様の未成熟さを指摘した。しかし、もう1つに重要な理由がある。それは、日本の国際競争力という観点である。GDPや各種経済指標において中国をはじめとした新興国の台頭が著しく、日本の相対的な位置づけは低下する一方といわざるを得ない。最も早期に超高齢社会に突入するといわれる我が国が1つのモデルを提示し、追走する諸外国の模範となることで経済面においても優位性を獲得しなければならない。戦後の復興から目覚ましい経済発展を遂げ、世界が日本に注目し日本企業を研究した時のように、エイジレスライフを産業として振興し国際的なリーダーシップを握るとともに、政策や制度の面でも世界に誇れる社会を目指していかなければならない。筆者は長年ITアナリストとして、買う側・使う側の企業がITを最大限に活用して国際競争力を高めることを目指してアドバイスを提供してきた。この経験を活かして、未成熟ながら有望なエイジレスライフ市場を有力な輸出産業に育てていくことに少しでも貢献したいと考えている。
超高齢社会先進国の日本
総務省が発表した2010年9月15日現在の推計人口によると、65歳以上の人口は2944万人となり、総人口に占める割合は23.1%と過去最高を更新した。米国や欧州諸国は概ね10%代であるが、高齢化率(65歳以上の人口が総人口に占める割合)21%以上が超高齢社会といわれることから、日本は世界で最も早く超高齢社会に突入した国といえる。
一方、2010年代後半には、ドイツやスウェーデンといった欧州勢が、そして2020年代後半にはシンガポールや韓国といったアジア諸国が超高齢社会の仲間入りをしてくる。
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