第20回
情報源としてのインターネット
2012.03.06 [内山 悟志]
シニア層はパソコンやインターネットと無縁であるという古い常識は成り立たなくなっている。エイジレスライフ世代は、どのような情報をインターネットから得たいと考えているのか、ライフスタイルと合わせて考えてみたい。
どこから情報を取得しているのか
まず、世代を問わず社会全体における情報源についてみてみよう。情報通信白書2011によると、2010年の時点で依然としてテレビがさまざまな情報の取得元となっていることに変わりはない(図1)。同調査ではいくつかの分野について、2005年の時点の利用率も示しているが、当時と比較するとテレビ番組情報以外のすべての分野においてテレビの利用率は低下している。テレビ番組情報においてテレビの利用率が上昇しているのは、地デジ化の推進によりデジタルテレビが普及し、新聞の番組欄ではなく、テレビで番組表が簡便に得られるようになったためと考えられる。
図1.各種情報の利用情報源
出典:平成23年版 情報通信白書(「2010年日本人の情報行動調査」より作成)
ここで注目すべきは、いくつかの情報分野においてパソコンのWebサイトが上位に浮上してきている点である。ショッピング・商品情報については、2005年に18.9%であった利用率が2010年には31.3%と大きく伸び、雑誌、テレビ、新聞を抜いて首位に躍り出ている。また、旅行・観光情報についても、2005年の17.9%から30.0%と伸び、テレビ、パンフレット・チラシ・フリーペーパー、新聞、友人・家族を一気に抜き去り6位から雑誌と同率1位にまで浮上している。さらに、国内ニュース、海外ニュース、健康・医療関連、天気予報などに関する情報についても第3位の情報源となっている。おそらく、この勢いからみて、5年後には少なくとも健康・医療情報およびグルメ情報についても、それぞれ新聞と雑誌を抜いて2位に浮上すると予想される。
インターネットが、テレビ、新聞と並んで三大メディアの一角に位置づけられる存在になったとことを示している。
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