第32回
ネットスーパー活用術
2012.09.04 [内山 悟志]
本連載の23回「エイジレス世代のネットショッピング」、24回「ネットショッピングで贈り物」では、ネットショッピング全般を取り上げたが、今回はその中でも生活に密着したネットスーパーの活用法を紹介しよう。
エイジレス世代とネットスーパーの意外な相性
ネットスーパーとは利用者がインターネットを通じて商品を注文すると、最寄りの店舗や配送センターからその日のうちに、あるいは指定した日時に食料品などの商品が自宅に届けられるサービスのことである。生鮮食品や日用雑貨などを個人宅の玄関先まで配達してくれるのが大きな特徴で、忙しい人ばかりでなく、重い物を運ぶのが困難な高齢者の利用も増えている。
ネットスーパーには、大手スーパーマーケットが運営する「スーパーマーケット系」、食材の宅配サービスを専業とする「食材宅配系」、楽天などのオンラインショッピングモール上で展開する「ネットモール系」などがあるが、現在さまざまな業種から参入しており、ネット店舗数も増加している(図1)。
図1.主なネットスーパーとその分類
実は、エイジレスライフ世代とネットスーパーの相性は良い。総務省の「平成23年通信利用動向調査」の年代別電子商取引の利用率では、さまざまな商品分野におけるネットでの購入経験を調査しているが、食料品(食品・飲料・酒類)は20、30、40歳代では他の商品分野と比べて低い値を示しているのに対して、50歳代および60歳代以上では相対的に高い利用率となっている。特に、60歳代以上では食料品の利用率が20歳代を上回っている。
都市部や地方都市などでは、小売店が大型店化し郊外展開を進めたことによって、市街地の小規模店舗の撤退・閉店が進んでいる。それにより、市街地在住の消費者で自動車などの移動手段を持たない人や、年齢的に遠出が難しい高齢者などは、郊外まで生鮮食品を買い物に行けない「買い物難民」として、フードデザート(食の砂漠)に取り残される状況となること(いわゆるフードデザート問題)が社会問題化している。ネットスーパーは、このフードデザート問題解決の有効な手段の1つとなる可能性を秘めている。
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