第15回
エイジレスライフとネットの相性
2011.11.01 [内山 悟志]
インターネットやスマート・モバイル・デバイスの普及は、エイジレスライフ世代の消費行動やライフスタイルにも少なからず影響を及ぼしている。今回は、インターネットがエイジレスライフをどのように変えるのかについて述べる。
エイジレスライフ世代のネット利用率
まずは、インターネットの世代別の利用率を見てみよう。総務省が行った通信利用動向調査(平成22年5月発表)によると、64歳までの各世代のインターネット利用率は7割を超えている(図1)。特筆すべきは、65歳から69歳では利用率は58%となっているが、これは前年の37.6%と比べてわずか1年で1.5倍を超える伸びとなっていることである。また、70歳代で32.9%、80歳代でも18.5%となっており決して少数派といえない比率になってきている。今や、高齢者はパソコンやインターネットを利用しないという従来の常識は通用しなくなっていることを意味する。
図1.世代別にみるインターネット利用率
出典:総務省「平成22年通信利用動向調査」をもとにfromNowが作成
さらに、65歳から69歳での1年間での利用率の伸びをみると、単なる世代シフトによる自然増をはるかに超えた勢いでネットがエイジレス世代に拡がっていくことが予想される。これには、技術の進展やデジタル機器/ネット業界の動向も後押ししている。日本国内では、パソコンのみならず携帯電話を利用したインターネットの利用が普及しているが、スマートフォンやタブレット端末(iPadなど)の普及がこれをさらに加速させると予想される。パソコンや携帯電話に苦手意識を持つ人でも、スマートフォンやタブレット端末の直感的な操作性には好感を持つ傾向があり、高齢者のニーズにも適合している。また、ブロードバンド網や無線通信網の発達に加えて、ネットへの接続設定などが簡便になってきていることや、データ通信料の定額料金制なども安心して利用できる環境を提供している。
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