第37回
Twitterの活用マナー
2012.11.20 [内山 悟志]
緩やかなつながりに寛容になること
デジタルネイティブな若者に比べて、年配者はいわゆる“ネットのゆるさ”に慣れておらず、必要以上に丁寧な対応をしたり、相手の反応を気にし過ぎてしまったりということがある。
例えば、誰かをフォローする際に「○○と申します。フォローさせて頂きます」といった挨拶をツイートやDMで送ったり、自分をフォローした人に対して「この度は、フォローありがとうございます」といったお礼を送ったりすることを、丁寧だと感じる人もいるが、逆にいちいち煩わしいと思う人もいる。知人であれば、自分の人となりがある程度わかってもらえているが、ネット上だけでのつながりの相手に対しては、誤解を生んだり、煙たがられたりすることがあるかもしれない。
また、自分をフォローしている人だからといって、自分のすべてのツイートを漏らさず読んでいるとは限らない。「先日ツイートした件、どうなった?」などとTwitterを公式の連絡手段と考えるべきではない。
相手の反応に過度に期待しない方がよい。「あの人は、自分をフォローしてくれていのにツイートに全然反応してくれない」「@で返信したのに、何も反応が返ってこない」「リムーブ(フォローを止める)されたから嫌われたに違いない」といった具合に、一喜一憂していたのでは、緩やかで気軽なコミュニケーションはできない。自分と他人の感性の違いを理解して、適度な距離感を持った楽しみ方が良いだろう。
つぶやきはすべて真実とは限らない
多くの人に情報を広めて欲しい時に、ツイートに「拡散希望」「RT希望」といったコメントをつける場合がある。それを見たユーザーがリツイートしていくことで、発言が拡がることを狙ったものである。交通渋滞、電車の遅延、気象情報など拡散することで多くの人が便利と感じる情報もあるだろう。なかには、「この犬を探して下さい」「盗難バイク情報求む」といった写真付きのツイート、事件や政治的見解に関するものまでさまざまな拡散希望を目にする。しかし、誤った情報の場合もあるため注意が必要である。善意のつもりで急いで拡げた情報がデマであれば、自分も誤情報の流布に加担したことになる。デマかもしれないし、本当かもしれないという理由でとりあえずリツイートしてしまうという行動は慎んだ方がよい。Twitterに限らずネット上には玉石混交の情報があふれている。ソーシャル・メディアには、そうしたあらゆる情報の中から、ユーザーが皆で検証し、正しいものとデマをふるい分けていくという特徴を持っている。人に対してだけでなく、情報に対しても過敏な反応をすることなく、適度な距離感を持つことが大人の活用術といえるのではないだろうか。
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