第42回
カーシェアリングのコスト・シミュレーション(2)
2013.02.12 [内山 悟志]
活用シーンに合った選択
このように1回あたりの利用時間や1年間あたりの利用回数によってレンタカーがお得な場合とカーシェアリングがお得な場合があることがわかった。そこで、いくつかの利用シーンを想定して、それぞれの賢い選択について考えてみよう。
(1)近隣の病院・治療院への通院:往復10km(新宿~六本木間往復に相当)の走行で、1週間に1回(年間50回)、1回あたり3時間の利用を想定する。
基本料金 | 時間料金 | 距離料金・ ガソリン代 |
合計(1年間) | |
レンタカー | - | 288,750 | 3,621 | 292,371 |
カーシェアリング | 24,000 | 120,000 | 7,500 | 151,500 |
このような短距離・多頻度の利用ではカーシェアリングが約半額と圧倒的にお得である。
(2)中距離のショッピングセンターで買いだめ:往復50km(新宿~川崎間往復に相当)の走行で、2週間に1回(年間24回)、1回あたり6時間の利用を想定する。
基本料金 | 時間料金 | 距離料金・ ガソリン代 |
合計(1年間) | |
レンタカー | - | 138,600 | 8,690 | 147,290 |
カーシェアリング | 24,000 | 84,000 | 18,000 | 126,000 |
中距離で月2回程度の利用においては、両者のコストは拮抗(きっこう)する。上記の条件においてはカーシェアリングの方が少し安い。
(3)月1回のサンデーゴルファー:往復150km(新宿~成田間往復に相当)の走行で、1カ月に1回(年間12回)、1回あたり12時間の利用を想定する。
基本料金 | 時間料金 | 距離料金・ ガソリン代 |
合計(1年間) | |
レンタカー | - | 74,340 | 13,035 | 87,375 |
カーシェアリング | 24,000 | 54,000 | 27,000 | 105,000 |
比較的長距離で月1回程度の利用では、カーシェアリングにおける距離料金の負担が大きくなりレンタカーの方が割安となる。
このように、活用シーンによってどちらがお得かは変わってくる。多くの利用者は、ここで示したような(1)から(3)のいずれかの利用パターンではなく、これらを組み合わせた複合的な使い方をするのが一般的ではないだろうか。ちなみに、上記の3つの活用シーンをすべて合わせて、週1回短距離・短時間利用し、さらに月2回程度中距離、月1回長距離長時間を利用するとしたら、以下のような結果となる。
(4)上記(1)から(3)の複合的利用:週1回短距離・短時間利用し、さらに月2回程度中距離、月1回長距離長時間を利用する
基本料金 | 時間料金 | 距離料金・ ガソリン代 |
合計(1年間) | |
レンタカー | - | 501,690 | 25,345 | 527,035 |
カーシェアリング | 24,000 | 258,000 | 52,500 | 334,500 |
これほど自由に活用したとしてもカーシェアリングの年間コストは33万円程度となる。駐車場代、車検代、自動車税などの維持費を考えると、マイカーの保有コストよりも安いと感じる利用者が多いのではないだろうか。自分のライフスタイルに合わせて賢い選択をすることが望まれる。
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