内山悟志の骨太エイジレスライフのすすめ

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第16回
エイジレスライフと網社会

網社会とエイジレスライフの関係

このような社会的パラダイムの変容はエイジレスライフにどのような影響を及ぼすのであろうか。会社組織の所属する一般的なビジネスパーソンについて考えてみよう。定年退職を迎えるまで、ビジネスパーソンは縦社会の典型のような組織である企業に所属している。企業に属している間は、その縦社会でのルールや慣習に従って行動すれば良いし、中には部長や役員といった役職によって尊重される立場が守られている場合もあろう。しかし、定年退職などによってひとたび会社という縦社会を離れると、いかに高い役職についていた人も、地域社会や消費者コミュニティーといった横社会や網社会の中では他の人と対等の一個人になるわけである。これは個人が身を置く環境が非常に大きく変化することを意味し、意識の変革が求められる転換点といえよう。現役時代に社会的地位が高かった人ほど一般社会のコミュニティーに溶け込みにくいという話はよく聞かれる。実際のところ、企業組織と地域コミュニティーなどでは、意思決定のプロセスやスピードが大きく異なる。無意識のうちに会社流を持ちこんでしまい、周囲から「威張っている」「高圧的だ」などと思われてしまうこともある。
社会全体が縦社会から横社会、網社会へと変容する中、エイジレスライフにもこのような社会が拡がってきている。地域社会やコミュニティーといったフラットで透過な社会の中で、どのように自分を位置付けるかが問われている。

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