第49回
散歩でお気軽健康ライフ
2013.05.28 [内山 悟志]
快適なエイジレスライフをおくるには健康は欠かせない。健康維持という点でも生活習慣病の予防という点でも適度な運動が不可欠なことはいうまでもないが、スポーツジム通いやジョギングなどの運動がなかなか長続きしないという人に、是非散歩を推奨したい。
・ジョギングでもウォーキングでもなく散歩という健康法
昨今、生活習慣要因で起こる病気が増加傾向にあり、社会問題の1つになっている。生活習慣病の要因はさまざまだが、主に(1)不規則な食生活、(2)運動不足、(3)たばこの吸い過ぎ、(4)お酒の飲み過ぎ、(5)休養の不足があげられる。この中の運動不足には、歩かないことで身体を動かす機会が少ないことが含まれる。交通手段やインターネットなどが便利に利用できる世の中になったことと引き換えに、歩く機会が減少しているという問題が生じている。
生活習慣病である肥満、糖尿病、高血圧症、高脂血症は、不適切な食習慣と運動不足が、その発症・進行に深く関わっている。歩くことは有酸素運動であり、これにより筋肉量が増え、筋肉の毛細管領域が発達することに加えて、酸素が活性化し、血液中のブドウ糖を筋肉の中へ十分取り込めるようになるといわれている。また、カロリーを消費することで体脂肪が減り、インスリンの感受性が改善されるということだ。
さて、運動不足を解消する方法はいくつもある。スポーツジムに通うという方法もあるし、水泳、ジョギング、ダンス、テニスなど自分の趣味や体力に合わせて何かしら身体を動かすことをするとよいだろう。しかし、最も重要なことは、これを継続的に行うということだ。何事も「始めること」よりも「続けること」が難しい。お金がかかる、特別な施設や道具が必要だ、一緒にやる仲間をそろえなければならない、翌日何もしたくなくなるくらい疲れてしまう、技能を身につけないと楽しめない、といったことが続けることの妨げとなる。
実は筆者も、多趣味なことの裏返しに飽きっぽく、何事も三日坊主で長続きしない性格のため、これといった継続的な運動ができていなかった。何年か前は、健康のためにジョギングをしようと思い立ち、ランニングウェアとシューズを買い込んだが、3回ほどで飽きてしまった。走るのは大変だからと思いウォーキングに切り替えたら5回ほどは続いた。ウォーキングの時は、歩きやすさを考えてジョギングのために購入したランニングウェアを着込み、わき目を振らず、やや早めのペースで黙々と歩いていた。しかしこれも、ジョギングと同様に単調で、わざわざ運動するために時間を取って、着替えて、その目的のためだけに行動するというのがおっくうになり続かなかった。
そこで、同じ歩くのでも、ウォーキングではなく、散歩をするということに発想を転換してみた。最近、テレビでも街をブラブラ歩くという番組をよく目にするのではないだろうか。目的地もコースも決めずに、その場その場で思いつくままに好きな道を選んでいく、気になったお店があったらのぞいてみる、休憩したいと思ったら喫茶店などで飲食するといった具合だ。「運動するぞ!」と気負わずに、気ままに街をブラブラする気持ちで歩く。疲れたら電車かバスに乗って帰ってくればいいというぐらいの気持ちで歩くのが良い。服装も、ジョギングやウォーキングの時のようなスポーツウェアではなく、普段と同じジーンズにポロシャツといったいでたちで構わない。ただし、靴だけはスニーカーなど歩きやすいものがいいだろう。見慣れた街並みの中にも、新発見がたくさんありとても楽しい。これは続けていけそうだ。
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