内山悟志の骨太エイジレスライフのすすめ

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第50回
エイジレスライフの人付き合い

人付き合いで気を付けたい点

このほかに、筆者が人付き合いで気を付けている点をいくつかあげておこう。まずは、人をむやみに紹介しないということだ。顔が広い人や、魅力的な人脈を持っている人は、「〇〇について詳しい人を紹介してほしい」「△△に協力してくれそうな人に話をつないでほしい」といった仲介を依頼されることが多い。こうした時、安請け合いをして人を紹介すると思わぬトラブルに巻き込まれる場合があるので注意したい。もちろん、仲介を依頼してきた人が、筆者の定義するところの「好きな人」である場合は、誰かを紹介することで何かの役に立ちたいと思う気持ちはある。しかし、そのような場合でも、依頼に応じて安易に紹介できそうな人の名前を教えたり、その場で連絡を取ってあげたりはせずに、依頼はいったん預かっておいて、先方の意向を確認するようにしている。依頼してきた人には「心当たりがあるので、先方に聞いてみるよ」という形に留め置くのである。

快く仲介しないことで、少し冷たい態度のように思われてしまうかもしれないが、人を紹介するということは、それなりの責任が生じることを念頭に置くべきと考えるからだ。自分が安易に人を紹介したことで、紹介した先の人が面倒な思いをするかもしれないし、依頼してきた人が先方に何らかの迷惑をかけてしまうかもしれない。そのため、特に紹介しようとする先方側の意思を確認しておくことが望ましい。紹介する側の人もされる側の人も共に信頼でき、自信をもって仲介できると思う場合でも、何かトラブルが生じた時は自ら間に立って問題解決する覚悟がなければならない。

もう1つ筆者が心がけていることは、誰に対しても対等に付き合うことだ。つまり、自分より年長の人も、若い人も、場合によっては小さな子供に対しても同じ目線で、同じような言葉遣いで接することを意味する。もちろん、人生の大先輩、恩師、お世話になっている年長者の方々には尊敬の念を持っているが、必要以上に丁寧すぎて慇懃(いんぎん)無礼にならないようにしている。一方で、年下の人、部下、教え子といった人達に対しても、年長者に対してと同様に尊厳を損なわないようにフラットな気持ちで接するようにしている。
年上の人と年下の人、上司と部下、先輩と後輩といった上下関係によって大きく態度を変える人を時々見受ける。自分より目下とみたら急に威張ったりする。特に、自分が客として店員さんなどに接する際に、急に横柄な態度を取る人がいるが、これには人間の小ささを感じずにはいられない。誰に対してもへりくだることもなく、威張ることもなく、フランクに接するというのがいい。フランクとは、気どったところがないさま、ざっくばらん、率直といった意味だが、まさに年長者にも年少者にも同様にフランクに、そしてフラットな気持ちで接することを心がけたい。

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