内山悟志の骨太エイジレスライフのすすめ

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第51回
手作りパンに挑戦してみる

ホームベーカリーはやっぱりスゴイ

ここであきらめるわけにはいかない。どうしてももっと手軽に自家製パンが食べたいと思い、全自動ホームベーカリーを購入することを決断した。Googleで「全自動ホームベーカリー」を検索すると、いくつかのメーカーの機種がヒットするが、その中で最も手頃な価格のシロカSHB-612を購入することにした(2013年5月時点の送料込みネット販売価格8,980円)。この機種では、食パンは1斤、1.5斤、2斤の3サイズを選ぶことができ、それ以外に全粒子パン、米粉パン、ピザ生地、うどん・パスタの生地、ケーキ、ジャム、生キャラメル、ヨーグルトなどを作ることができ、餅つき機能を含めて19のメニューに対応している。また、すべての工程を全自動で行えるほかに、「こねる」「発酵」「焼く」の工程をそれぞれ独立して選ぶことができるため、「こねる」「発酵」までをホームベーカリーで行って、自分でクロワッサンやあんパンなどに成形し、オーブンで焼くこともできる。

まずはさっそく、基本の食パンに挑戦してみよう。作り方は驚くほど簡単だ。(1)パンケースを取り出し、水をいれる(1斤の場合180ml)、(2)強力粉を入れる(250g)、(3)バター(18g)、砂糖(大さじ2)、塩(小さじ2/3)、スキムミルク(小さじ3)をパンケースの四隅に入れる、(4)ドライイースト(小さじ1弱)を強力粉以外に触れないように粉の中央をくぼませ、その中に入れる(図3)。あとは、パンケースと本体にセットしてメニューを選んでボタンを押すだけだ。

図3.材料を順番にパンケースに投入する

食パンのコースを選ぶと「こねる」「発酵」「焼く」の全行程を自動でやってくれ、4時間15分(1斤の場合)で焼きあがる。10分程度あら熱をとってから切るときれいに切れる(図4)。この時点でパン切り包丁を持っていなかったので、切り口が少しギザギザになってしまった。やはりパン切り包丁は必須だ。13時間までの焼き上がりタイマー機能が付いているので、前日の夜に仕込んでおいて、翌朝の朝食に焼き立てを食べることができる。

図4.食パンの出来上がり

次に、具入りパンに挑戦することにした。レーズンなどのドライフルーツや、くるみなどのナッツ類を入れるわけだが、この機種の場合は全自動コースの「こねる」工程の途中(スタートしてから25分後くらい)で、具入れのタイミングをブザーで知らせる機能がついている。ブザーがなったら蓋を開けて生地の上に具を乗せて、また蓋をしておけばよい。実に簡単にくるみパンが出来上がった(図5)。この時点でパン切り包丁を入手していたので、断面もきれいに切ることができた。

図5.くるみパンの出来上がり

最後に、コストについて述べておきたい。砂糖やドライイーストなどの材料は少量なので無視するとして、1斤の食パンを作るのに強力粉を250g、無塩バターを18g必要とする。これらの一般的な市販価格は、それぞれ40円から50円であるため1斤のパンを作るのに80円から100円がかかる計算となる。コスト的には、市販の食パンを買うのとほとんど変わらないということだ。電気代や手間を考えると買った方が安いともいえる。市販のものは品質も安定しているし、失敗するおそれはない。自分で作る楽しみと焼き立てを食べるという付加価値をどうとらえるか次第といえるが、自分なりのアレンジを加えて時に失敗したり、思いのほか上手くいったりすることを楽しめる余裕があっても良いのではないだろうか。

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