第53回
ベランダで手軽に燻製づくり
2013.07.23 [内山 悟志]
これまで自家製ピクルスや手作りパンを紹介してきたが、今回は燻製づくりに挑戦する。しかも、特別な機材を一切使わず、自宅の庭やマンションのベランダで気軽に楽しめる燻製作りを紹介しよう。
道具と材料をそろえる
まずは道具をそろえよう。用意するのは、カセットコンロ、土鍋、アルミホイル、焼き網、さくらチップだ(図1)。今回は家庭用の大きめの土鍋(9号)を使ったが、100円ショップに売っている一人用の小さなものでも構わない。もちろん、土鍋でなくても中華鍋や天ぷら鍋など、ある程度底が深いものであれば何でもよい。土鍋の蓋には通常湯気抜きの穴が空いているが、燻製の場合はスモークが逃げてしまわないよう穴をガムテープなどでふさいでおく必要がある。焼き網は、通常の円型の餅焼き網でも良いが、今回はチップを覆いつつ土鍋の中にすっぽりと入るように、あえて角形の網の四隅をペンチで折り曲げて専用の燻製網を即席で作った。
図1.簡単燻製作りの道具
さて道具の準備だが、土鍋の底にアルミホイルを敷き、その上に適量のさくらチップを乗せる(図2)。チップは市販のスモークチップであれば何でも構わないが、それぞれの香りが異なるのでいろいろと試してみても楽しいのではないだろうか。裏技としてスモークチップの代わりに紅茶の葉を使うというのを聞いたことがあるが、まだ試したことはない。アールグレイの葉などで作ると良い香りの燻製ができるのではないだろうか。
図2.さくらチップをなべ底に敷いたホイルに乗せる
次に具材を準備する。材料は基本的にそのまま食べられるものであれば何でも構わない。燻製はあくまでもいぶして香りと風味をつけるもので、生で食べられない食材には、あらかじめ火を通しておかなければならない。今回は、ソーセージ二種、ゆで卵、チーズ二種、塩ゆでした鶏肉、レンジで温めたフォアグラを用意した(図3)。チーズは、スモークした際に流れ落ちる可能性があるので、アルミホイルを皿状に折って下に敷くとよい。ソーセージは軽く茹でておいてもよいが、表面がぬれていると煙の乗りが悪く、良い色つやが出ないため、乾かすなどして水気を取り除いてからスモークするようにしたい。生の海老や帆立貝などを使う場合も、キッチンペーパーなどで水気を拭き取っておくとよいだろう。
図3.材料を焼き網に乗せる
今回は手軽に作ることを目指したので、下ごしらえの簡単な具材を選んだが、本格的なスモークチキンやスモークスペアリブなども、温度や時間に多少の違いはあるものの基本的に同じ方法で作ることができる。半身の鶏肉やブロック肉などの大型の具材で燻製を作る場合は、あらかじめ低温調理(ビニール袋などに密閉して低温で長時間温める)を施した上で、天日干しなどで水分を飛ばしておくといった下ごしらえが必要だ。
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