第42回
大人の社会科見学:ビール工場編
2015.08.13 [内山 悟志]
「仕込み」の工程で使われる仕込槽
さて、ここから実際の製造工程に沿って、施設を見学していく。
ビールの製造は、「製麦」「仕込み」「発酵」「貯酒」「ろ過」「パッケージング」という工程で進んでいく。
「製麦」は大麦に水と空気を与え、適度な温度で発芽させる工程である。
工場内での最初の工程である「仕込み」では、まず温めた天然水に砕いた麦芽を加える。すると、麦芽中の酵素の働きにより、麦芽中のでんぷんが糖に分解される。
実際に使われていた貯酒タンクで作られたトンネル
そこにホップを加えて煮沸すると、ホップ特有の香りと苦味を持った麦汁ができる。ザ・プレミアム・モルツでは、仕込槽で徐々に麦汁の温度を上げながら2回煮沸するダブルデコクション製法をいう仕込み製法を採用しているとのことだ。
次の「発酵」の工程では、麦汁に酵母を加え低温で発酵させる。酵母が麦汁中の糖を取り込み、アルコールと炭酸ガスを生成し、約7日間でアルコール約5%の若ビールになるという。
発酵が終わった若ビールを、低温に調整されたタンクの中で熟成させることでビールに炭酸ガスが溶け込み、次第に味や香りがまろやかになっていくが、これが「貯酒」の工程だ。
ろ過装置
次の「ろ過」の工程では、熟成を終えたビールから、オリや役目を終えた酵母を取り除く。何段階ものろ過工程を経て、最後に約3μ(1mmの1000分の3)という微細な目のミクロフィルターでろ過することで、清澄なビールができあがる。
完成したビールは最後の「パッケージング」の工程で缶や瓶、樽などの容器に詰められる。
目にもとまらぬ速さで缶に詰められていくパッケージングの様子は圧巻である。
試飲で頂いたザ・プレミアム・モルツ
さて、ガイドツアーの最後には、お楽しみの試飲コーナーが待ち構えている。
今回のツアーでは、ザ・プレミアム・モルツを2杯、そして醸造家の夢を実現したというザ・プレミアム・モルツ・マスターズ・ドリームを1杯の計3杯を試飲させて頂いた。
もちろん、ザ・プレミアム・モルツは家でもお店でも飲んだことはあるが、製造工場で飲むとさらに新鮮な感じがして美味しい。また、缶ビールの美味しい注ぎ方を教えてもらったので、次回から自宅で飲むときにやってみようと思う。
今回は、日曜日の16:00からの最終のツアーに参加したが、夏休み中ということあって、小学生も何名か参加していた。約1時間の短い時間ではあったが、毎日のようにお世話になっているビールのできるまでを疑似体験でき、十分に楽しむことができた。ビールがますます好きになった。今度は、もっと別の工場も見学してみたい。
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