第7回
エイジングストレスとは
2013.12.09 [内山 悟志]
前回はストレス耐性の要素について述べ、まずはストレスというものを理解して、正しく向き合うことが大切だと述べたが、今回はエイジングストレスと呼ばれるストレスについて解説する。
エイジングストレスとは、自分が年齢を重ねることに対してストレスを感じることをいう。年齢を重ねることで身体能力の衰えや、見た目の若さが失われていることは当然のことだと頭では理解していても、もっと若い頃の自分から少しずつ変化していくことがストレスになり、不安を感じたりイライラしたりすることである。
エイジングストレスの原因は年をとること、ではなく、年をとることに自分が納得できないことだと考えられている。老いていく自分を受け入れることができず、自分は若いままでいたいということを必要以上に深刻に捉えてしまい、現実とのギャップが大きくなればなるほど、そして長く続けば続くほどエイジングストレスは強くなると言われている。
エイジングストレスを感じる人は男性より女性が多く、30歳前後からその割合が増える傾向にある。また、見た目の美しさや実年齢の若さを自分のアイデンティティとしてきた人ほど、エイジングストレスを大きく感じてしまう傾向にあると言われている。
ストレスは美容や健康を妨げる要因となるため、若さを保つためにはエイジングストレスも少ない方が良い。
エイジングストレスを解消するために、美容や整形などに多額の投資をする女性も多く、美魔女といった言葉も流行している。では果たして、このような見た目の若さを保つことを主眼においたアンチエイジングによって、エイジングストレスを解消することは本当にできるのだろうか。確かに、プチ整形などにより「ほうれい線と頬のたるみがなくなった」高額な肌ケア商品によって「肌のツヤが良くなり、しわやシミが目立たなくなった」というような喜びの声を耳にすることは多い。こうした取り組みにより、一時的にはエイジングストレスから解放されるということはあるだろう。しかし、エイジングストレスは一過性のものではなく、その後の長い人生の過程で、ずっと向き合っていかなければならない問題である。
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