第14回
話題のノーオイル・フライヤーを試してみる(前編)
2014.03.27 [内山 悟志]
久々に料理について取り上げるが、今回は話題のノーオイル・フライヤーの体験記である。油を使わずに揚げ物ができることからヘルシー志向の消費者に支持され話題となっているが実際どうなのだろうか。
ノーオイル・フライヤーは、火と油を使わずに「熱と空気で揚げる」という技術で、最高200℃の高温の熱風を上下高速に循環することで、食材自身に含まれている油が吹き出し、油で揚げたと同じように料理できるというものだ。従来の油で揚げる揚げ物にくらべて最大で80%も脂肪分をカットしたヘルシーな揚げ物ができるという。
まずは、その筐体の大きさに驚きつつも簡単なものから試してみようと思い、鶏のから揚げとフレンチフライを作ることにした。付属したレシピ集に多数のメニューが掲載されているので、それに従って調理すれば失敗することは少ないだろう。
さて、フレンチフライだがレシピに書かれたとおり、水にさらした後きれいに水気をとってフライヤーに投入する。説明書によるとカラッとした揚げ物感を出したい場合は大さじ2分の1程度のオイルを絡めておくとよいとあったので、そのとおりにした。あとは、温度と時間をセットするだけだ(図1)。
図1.ノーオイル・フライヤーに投入したポテト
一方、から揚げの方も通常の手順で鶏肉に下味をつけてから揚げ粉をまぶしてフライヤーにセットする。筐体の大きさの割にはバスケットに入れられる食材の量がそれほど多くないため、1~2人前であれば問題ないが家族が多い場合は何回かに分けて調理しなければならない点が問題かもしれない。今回もフレンチフライとから揚げを別々に調理しなければならなかったため、食べる頃には最初に作ったフレンチフライが冷めてしまった。
さて、出来上がりを見て頂こう(図2)。から揚げは、見事にきつね色になっており、食感も揚げたてのから揚げと同様にサクサクしていて満足できた。これは、鶏肉自体に油分があったためで、この油がから揚げ粉に浸み出して揚げた時と同じようなカリッとした食感を生み出したと思われる。
図2.鶏のから揚げとフレンチフライの出来上がり
一方、フレンチフライの方は見た目も食感もフレンチフライとは程遠いものとなった。表面のサクサク感も内部のホクホク感もない。イメージとしては、細切りのジャガイモをフライパンで炒めて、その後さらにオーブントースターで焼いたような感じだ。これは、わずかに絡めたオイルがジャガイモの表面に浸透していないためではないだろうか。下揚げされているタイプの冷凍食品のフライドポテトであればもう少しうまくできると思われる。
ノーオイルといっても肉のように食材に油分が含まれているものはよいが、そうでないものはやはり微量の油が必要で、それが表面に浸透するかどうかがポイントだということだろう。
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