内山悟志の悠々快適エイジレスライフ

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第19回
オリーブの島、小豆島を訪ねる

旅の楽しみは、行く前の計画の段階から、帰って来て振り返ったり、友達に話したりするまで長く続く。前回の「直島」「豊島」に続いて、その後訪問した小豆島を紹介する。

小豆島は、瀬戸内海では淡路島に次いで2番目に大きな島だが、小豆島と聞いて何を連想するかは世代によって大きく分かれるそうだ。厳密に何歳以上かは不明だが、一定の年齢以上の年輩世代は壺井栄の「二十四の瞳」を連想し、若い世代はオリーブやオリーブオイルを思い浮かべるという。ちなみに筆者は年齢的には前者に属するのかもしれないが、料理好きなこともあってオリーブの島というイメージを持っていた。しかし、実際に行ってみると、オリーブだけでなく四季を通じて雨が少なく温暖な気候を活かし、ミカン、スモモなどの栽培も盛んで、ゴマ油、素麺、醤油といった名産品も数多くあることに驚かされた。まさに食材の宝庫といっても良いのではないだろうか。
小豆島へのアクセスは、四国側の高松港から発着するものが最も多く、本州側からは岡山港、日生港、宇野港、姫路港、神戸港からのフェリーが運航している。筆者は、前回述べた豊島からフェリーで30分かけて土庄港に入り、島内は広いためレンタカーを借りて回った。

まず向かったのは、「二十四の瞳映画村」である。壺井栄の小説「二十四の瞳」は、1954年と1987年に映画化されたが、本施設は、田中裕子主演による1987年版「二十四の瞳」の映画撮影で使用された「岬の分教場」と、大正から昭和初期の民家、男先生の家、漁師の家、茶屋、土産物屋など14棟のオープンセットを公開している。「二十四の瞳映画村」は、土庄港から車で30分くらいの島の南東部に位置する半島の突端近くにある。映画の中で、子供達が歩いて主人公の“おなご先生”の家まで行くシーンがあるが、映画村に向かう道は、まさにその風景がよみがえる。小豆島に訪れるなら、DVDで「二十四の瞳」を観てからいくと感慨もひとしおだ。

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