大震災特別寄稿

バックナンバー

第2回
緊急時の対処法から分かった!
これから必要になる“デジモノ力” とは

不通の携帯電話とネット環境

携帯電話回線とは異なる通信方式で、高速ブロードバンドサービスを提供しているWiMAX。屋外で快適にインターネットを利用するため、「Aterm WM3500」のようなモバイルWiMAXルーターを利用する人が増えてきている

地震直後、一番困ったのは連絡が取れないということだった。NTTドコモやau、ソフトバンクでは、すぐに通信規制をかけて、一般ユーザーの通話を遮断している。緊急時の電話回線を生かすためには仕方がないとはいえ、全く使えない状態に「困った……」となげく人が大勢いたようである。

そんな通話不能な携帯電話を尻目に、筆者のiPhoneは通話できる状態にあったのだ。なぜか? それは地震が起きたあと、iPhoneからは電話もメールもできなくなったことから、すぐさま「WiMAX」(ワイマックス)というモバイルデータ通信サービスへ、インターネットの通信環境を切り替えたからだ。

ボクはフリーライターという仕事柄、外出先でもインターネットを利用するために様々な通信環境を持っている。中でも最近よく使っているのが、NECアクセステクニカのモバイルWiMAXルーター「Aterm WM3500」。手のひらよりも小さいデジタル機器だが、大容量の内蔵バッテリーを積んでいて、約8時間もインターネットへと接続できる。料金は月3880円とそれなりにかかるものの、都内では通信速度も速くて重宝している。普段は、このAterm WM3500Rとノートパソコン、iPhoneにiPadと様々な端末をつないでインターネットを利用している。

だから地震発生直後に電話回線が使えなくなっても慌てず、モバイルWiMAXルーターの電源を入れ、iPhoneをインターネットへと接続させた。筆者は外出先で被災したため、モバイルWiMAXルーターを使ったが、自宅や会社なら問題なく無線LANルーターと接続できたことだろう。

iPhoneは無線LANでインターネットに接続すると、標準機能である「FaceTime」(フェースタイム)というテレビ電話が使えるようになる。知り合いの編集者との連絡も、このFaceTimeを通じてしている。このほかにも「Skype」(スカイプ)や「Viber」(バイバー)など、インターネット回線を利用して通話するアプリケーションがある。都内では幸いにも停電した地域が少なく、自宅や会社のインターネット網が生きていた。もし、インターネット経由で通話できるツールがあることを知っていれば、携帯電話の通信網がダメになっても、筆者のように連絡を取れた可能性が高い。

コメント