第2回
緊急時の対処法から分かった!
これから必要になる“デジモノ力” とは
2011.04.05 [原 如宏]
ツイッターという新しい伝達方法と精査が必要なクチコミ
進化を続けるデジタル機器やインターネット。変化に対応するためにも、積極的に使いこなしていきたいもの。読者の皆さん、ツイッターで情報を探したことはありますか? スカイプを使ったことはありますか? スマートフォンには興味がありますか?
次に挙げたいのは“情報”だ。緊急時は風聞が通常よりも早く広まる……といわれる。今回の震災でも痛感させられた。震災で大きな被害を受けた地域なら仕方はないが、都内にいても「いったい、どの情報が正しいの?」という状況が見受けられたからだ。
特に困ったのが「計画停電」のニュース。「明日から計画停電を実施する」という報道と前後して、市区町村名だけ記載されたグループ分けがネット上に公開された。しかし、すぐに複数のグループに同じ市区町村があるとの指摘を受け、町名までが分かる改訂版を再配布。でもまだ情報が不足していて、翌日には「何丁目」までが分かる再改訂版が公開されるという有様(現在は、26日から全25グループへと細分化されている)。
筆者は、このゴタゴタとした発表の最中、計画停電の情報を「Twitter」(ツイッター)を使って集めていた。東京電力のホームページが、アクセスの集中によって開けなくなったためだ。ツイッターとは、最大140文字の短文を投稿しあうコミュニケーションツールである。震災直後でもサービスが停止することなく使えたとあって、安否確認や情報配信のツールとして国や自治体も急遽活用を始めたほどである。しかし、そんなツイッターにもいくつかの課題が残った。
原因は、正確性に欠ける情報。ツイッターに投稿することを「つぶやく」という。いってみれば、不特定多数に向けて“独り言”をいっているようなもの。責任感を持ってつぶやく人もいるが、独り言に責任感を持て!といわれてもなかなか難しい。そのためデマや、根拠のない情報を受け売りで投稿してしまった人もいたようだ。一般社会と同じで、ネット上の情報も「本当に正しい情報なのか?」という気持ちで、慎重に判断しなければならない。
特に計画停電の実施情報のように、情報が錯綜すると混乱の度合いは高まっていく。ツイッターには、有益な情報を広める方法として、特定の人の投稿をそのまま転送する「リツイート」という機能がある。この機能が裏目に出た。情報がどんどん更新されていくなか、古い情報をリツイートする人が多かったからだ。このため新旧の計画停電情報が錯綜。どれが最新の情報なのか、分かりづらい状況になってしまったのである。
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