松本すみ子の「@シニア」

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第3回
こういうオジサンたちが日本を背負ってきた
~映画「エンディングノート」から~

さあ、終活に大忙し

気丈な砂田さんですが、死の恐怖や不安から逃れることはできません。エンディングノートの最初に記したのは教会の神父を訪ねることでした。砂田さんはキリスト信者ではありません。しかし、気持ちが安らかになれる場所はどこかと探した時に、かつて子供の送り迎えで目にしていた教会を思い出すのです。神父さんに自分の葬儀は家族と近親者だけで行いたいと相談し、自ら洗礼の段取りも取りつけます。

砂田さんには長女、長男、次女の3人の子供がいます。みなりっぱに成人していますから、子供たちのことはあまり心配していません。でも、心残りは孫たち。第2の目標には「気合いを入れて孫と遊ぶ」と設定。アメリカから戻ってきた長男の孫たちに落ち込んだ姿は見せられないと頑張るのです。

砂田さんのお母さんは94歳ながら名古屋で一人暮らしをしています。親より先に逝くという最大の親不孝。その母との最後の思い出を作るために伊勢志摩に家族旅行もします。2人は「一緒に死ねたらいいのにね」と笑い合いました。

死をテーマにした映画なので、暗いイメージを持つかもしれませんが、この映画には不思議にからっとした明るさがあります。それは死に直面しながら、時にはユーモアさえ口にする砂田さんの性格からくるものでしょう。また、家族の父へのさりげない接し方にもあるのかもしません。

砂田さんらしい目標もあります。それは「自民党以外に投票してみる」。そうそう、昔は企業人の支持政党は圧倒的に自民党でしたね。もういいや、というところでしょうか。

こうして着々と段取りは進み、最後の「To do」を実行する時がやってきました。それはとてもとても大事なことでした。映画のクライマックスはこのシーンで間違いありません。でも、そんな大事なことはここでは言えません。ぜひ映画でご確認ください。

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