第4回
やるときはやるシニアボランティア
~東日本大震災で見えたもの~
2011.10.25 [松本 すみ子]
長崎から慰問ライブの旅
長崎から「東北3県慰問ライブの旅」
とはいえ、システムができるのを待っているだけでは何も始まりません。やはり行動あるのみ。今度は知人の活動例です。
50代の友人夫婦は5月の連休中の3日間、趣味の音楽仲間を引き連れ、亘理に入りました。1日目は支援物資の仕分け、2日目と3日目は海岸近くの個人宅の床下や庭にたまった泥だし。かなりの肉体労働です。「体はとても疲れているけど、ある意味での満足感というか、深い感慨を覚えています」というメールを送ってくれました。彼らに限らず、60代半ばくらいまでの元気なシニアは、これと同じようなことをした人が少なくありません。
すごいと感心したのは間もなく70歳という長崎のNさん。車での単独「東北3県慰問ライブの旅」を敢行しました。8月27日に長崎を発ち、広島、大阪、名古屋、静岡と経由して29日には東京に。30日には福島県入りして、仙台、塩釜、石巻、南三陸、気仙沼、陸前高田、大槌町、山田町と周り、宮古に着いたのは9月6日という強行軍。各地で自分が作ったオリジナル曲も含め、被災地の方々を励ますライブを開催しました。
ガレキと化した町
そして、帰路もひとりで車を運転、9月10日には無事に長崎に戻ったということです。彼に、往復1300㎞もの長旅を決心させたものはなんだったのでしょうか。「被災地は限りなくあって、涙が出て暫く困りました」という一文が語っています。
ボランティアにはいろいろな形があっていい。だから、急ぐことも、焦ることもない。大事なのは、被災地の現状をよく知って、自分なりにできる支援は何かを考えることだと思います。だから、まずは現地に行ってみるのもいいかもしれません。今では、被災地を訪問するツアーもあります。そこから始めるのも決して悪いことではないと思います。
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