松本すみ子の「@シニア」

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第5回
自治体の地域デビュー講座に注目!

お父さん、お帰りなさい

八王子「おとぱ」

こうした取り組みの例としては、東京・武蔵野市と八王子市で開催され、今も続いている「おとうさん、お帰りなさいパーティー(通称「おとぱ」)」があります。なぜ、おとうさんという名前がついているか。もうお分かりですね。仕事一筋で生きてきた男性は地域社会との関わりが希薄です。だから、「お帰りなさい。これからはあなたの住む地域社会が居場所ですよ」と、強調したわけです。

毎年1度開催される八王子市「おとぱ」(※)には200名くらいの参加者がいます。もちろん、男性だけでなく、女性もたくさん参加しています。そして、すでに地域で活動しているボランティア団体、NPOなども参加し、「どうぞ、私たちの活動に参加してください」とアピールしています。武蔵野市「おとぱ」(※)の場合は、年に一度の大きな「おとぱ」以外にも、市民が自主的に開催する学習会やイベントが盛んに行われています。そして、ここには運営の主役として、すでに多くの市民が関わっているのです。

多彩な自治体の講座を利用しよう

ワークショップ風景

「おとぱ」は、地域デビューのきっかけをつかむイベントです。このような講座は2007年で一応ひと段落したといえるでしょう。代わって、今盛んに実施されているのは、行動に移してもらうための準備講座、情報提供講座、スキルアップの講座です。団塊の世代が全員60歳を超えた今、以下のように、より現実的、具体的な方向に転換しています。

・お住まいの地域の施設や行政の政策を知る基礎講座
・定年後の生活資金を考える講座
・定年後のライフスタイルを考える講座
・すでに活動している団体などで体験やボランティアを行う実習講座
・すでに活動を実践している先輩からの体験を聴く講座
・IT機器を使いこなす講座(活動の運営や連絡に、ITは欠かせません)
・自分に合った活動は何かを探り出すワークショップ
・著名人による地域デビューを促進するための講演

多くの自治体がこのような講座をほとんど無料で開催しています。利用しない手はありません。知らなかった方は、今すぐ、市報や区報などの広報誌、自治体のホームページ、地域の社会福祉協議会などで調べてみてはいかがでしょうか。まだ充分、間に合います!

八王子市おとぱ:
http://www.city.hachioji.tokyo.jp/shiminkatudo/shiminkatsudo/otopa.html

武蔵野市おとぱ:
http://www.shakyou.or.jp/vcm/otopa/otousan.htm

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