松本すみ子の「@シニア」

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第7回
シニア向けイベント、成功への課題

物産展?「輝け!プラチナフェスタ」

「輝け!プラチナフェスタ」(※) の会場・科学技術館に入ったのは、11月16日の午後4時ごろ。会場案内図で確認したところ、約50団体が出展。目玉は「石原裕次郎記念館特別展」のようです。また、プラチナ世代に夢・発見・希望・共感を与え、同世代の代表となる人を選出する「プラチナアワード」を創設。第1回の受賞者は、俳優の岩城滉一さんとレーサーの青木拓磨さんとのことでした。

このような賞の創設はいいアイデアだと思います。しかし、どうして受賞者が芸能人や文化人、スポーツマンなのでしょうか。むしろ、このイベントの趣旨からして、地域社会や社会貢献などで活躍しているプラチナ世代を選ぶべきではないでしょうか。協力団体として、東京都老人クラブ連合会、神奈川県老人クラブ連合会、百歳万歳社などが名を連ねています。そこには、受賞に値する方々がたくさんいるはずです。その方がよほど話題となり、価値ある賞となるでしょう。

このイベントに限らず、ともすれば有名人・文化人に頼ろうとしますが、それで人が呼べるほど、シニア世代は単純ではないということを、そろそろ理解してもいい時です。

「東日本大震災支援」と銘打っていたせいか、会場は各地の産品や食材の販売ブースが目立ちました。さながら、物産展に迷い込んだ感じ。販売が悪いとはいいません。しかし、多くの来場者はたぶん戸惑ったはず。本来の目的から少しぶれてしまったような気がしてなりませんでした。

こちらも2日目にも関わらず、驚くほどの閑散ぶり。夕方だったからでしょうか。せっかく出展した被災地の方々も、手持無沙汰の様子でした。それを見るにつけ、両イベントが合同で開催できていたら、どうだったのだろうかと考えてしまいました。たぶん、それぞれの主催者の思惑などもあって、実現は難しいのでしょう。

けれど、何のために開催するのか、どうしたらシニア世代が集まってくれるのか、シニアは何を求めているのか、それにどう応えるか、そうしたことを本気で考えて企画しようとするなら、おのずとベクトルの向かう先は一致するのではないでしょうか。

とはいえ、どちらも今年は初回。手探りで始めた感があります。今年の反省を踏まえて、来年は進歩したイベントを見てみたい気がします。2回目が正念場となるでしょう。ぜひ、長く続けて、シニア関連の一大イベントとして定着させてほしいものです。

エキスポスーパー65プラス
http://www.super65plus.jp/

輝け!プラチナフェスタ
http://www.plt-festa.com/index.html

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