松本すみ子の「@シニア」

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第11回
“今日行くところ”を探しています

地域密着型サロンの誕生

シニア世代の趣味やライフスタイルにもっと深くかかわろうという取り組みも始まりました。シニア世代の生活総合サポートを行うロイヤルコミュニケーション倶楽部が運営する「リボーン倶楽部」(*)。定年後の元気で健康なシニア層をターゲットとして、「カルチャー」「旅行」「健康」「生活サポート」などの生活支援サービスを提供する地域密着型のコミュニティーサロンです。2012年4月1日(日)に、神奈川県横浜市に第1号店がオープンしました。

ただ、シニア向けコミュニティーサロンの考え方は、新しいものではありません。2007年に向けて団塊ビジネスが騒がしくなったころ、いくつかのシニアサロンが立ち上がりました。しかし、今ではそのほとんどがなくなっています。りっぱな入れ物を作っても、提供者側に経験が乏しく、シニア世代が望むサービスを提供できなかったこと、団塊世代の意識がまだ定年後に向いておらず、思ったほど利用者が集まらなかったことなどが原因です。

そして、今また、シニアサロンの設立が動き出しました。今度はうまくいくでしょうか。ひとつの有望なキーワードは“地域密着型”です。リタイアしたシニア世代の暮らす場所は、もはや住まいのある地域です。わざわざ電車や車で通うようなところに居場所を見つけようとはしないでしょう。2007年時代のシニアサロンのように、都心に立派な施設は不要なのです。定年後の居場所として利用者の心をつかむサービスの提供と運営ができるかどうか、これからのシニアサロンの動きに注目したいと思います。

今回紹介した取り組みに共通する特徴は、健常高齢者向けサービスだということです。シニアというと、すぐに病気だ、介護だと、高齢者ビジネスに頭がいってしまいます。しかし、要介護者よりもはるかにたくさんいる、元気で意欲のあるシニア世代に喜びと満足を提供するサービスはあまりありません。これこそ、今後の成長ビジネスだと思うのですが、いかがでしょうか。

*蔦屋書店ホームページ http://tsite.jp/daikanyama/
*リボーン倶楽部 http://www.reborn-club.jp/index.html

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