第2回
高齢者のためのマイカー開発
2011.09.27 [松本 すみ子]
高齢者にやさしい車
最近、「高齢者に適した自動車として、事故防止や運転補助の機能を備えた2人乗りの小型車を提案している知事グループが今秋、福岡県で実証実験を行う」という記事を目にしました。実験で得たデータをもとに、軽自動車より小さい高齢者向け小型車の規格創設や開発を国とメーカーに求めるとあります。
この実証実験をするのは36都道府県の知事でつくる「高齢者にやさしい自動車開発推進知事連合」。提案の背景には、やはり、高齢者だからといって車を取り上げることはできないという事情があると思います。地方自治体の首長ならではの発想です。
どんな機能が検討されているかというと、例えば、アクセルとブレーキの踏み間違い事故を防止する機能、夜間や雨の日にトンネルの中でも周囲を見やすくし、前方の歩行者などを知らせる機能、首を振らずに左右後方の確認ができる機能、スーパーの駐車場から道路に出る場合などに合流を支援する機能、疲れによる集中力低下を知らせる機能、赤信号や一時停止を知らせ、減速しない場合に警告し、自動で止まる機能など、盛りだくさんの支援機能が装備されています。願わくば、居眠り防止機能もほしいところです。
私としては、なんといっても、2人乗りまたは1人乗りの小さな車というのがいいと思います。イタリアに旅行した時に、日本では見かけない小さな車が道端に停まっているのをよく見かけました。日本の軽自動車をさらに半分にしたようなサイズです。イタリアの古くて狭い街路にはぴったりのサイズなんだ!と妙に感心したものでした。なんといっても、可愛いのです。日常の足となる車はそれでいいのだと思います。
75歳になったら、運転免許を自主返納しようという提案がなされています。もしも、あなたが75歳になったとしたら、どうしますか。多くの人は、やはり運転を続けたい、免許証を持っていたいと思うのではないでしょうか。年を取らない人はいません。そのためにも、高齢者に優しく、運転しやすく、安全な車の開発は急務です。
*「高齢者にやさしい自動車開発推進知事連合」
http://www.seisaku.nga.gr.jp/kohyo/kohyo_top.php?seq=2424&uri=%2Fsearch%2Fsearch.php%3Fbun%3D06
写真/松本すみ子 提供
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