地方発着便で旅行者増加

もうひとつ、LCCに望みたいことがあります。それは地方空港からの発着便を増やすことです。特に、海外便を増やすべきです。
私の姉は地方都市に住んでいます。そのうち一緒に海外旅行でもしようかと、「今はLCCというのがあって、格安で海外にも行けるようになったのよ」と話しました。すると、姉は、成田や羽田発の安い飛行機があっても、地方の人間がそれに乗るには新幹線に乗ったり、前泊したりして余分なお金がかかるから、それほどメリットはないと言うのです。「恩恵を受けるのは成田や羽田に近い人だけでしょ」という反応でした。なるほど、一理あります。
海外旅行に行きたい人は、もちろん地方にもたくさんいるはず。しかし、適当な発着便がないので仕方なく、成田・羽田や関空に行くことになるのです。そういう人は年間どのくらいいるのでしょうか。
また、不便だからと、最初から行く気にならなかったり、行くのを止める人もいるでしょう。もしかして、お年寄りや体の不自由な人の中には多いかもしれません。そういう人たちの旅ごころを動かし、実現させてこそ、旅行人口は増えるのです。
LCCの発着は成田や関空発着が多いのは、地の利のいい空港に対抗するために、空港利用料を安くして利用者を増やそうとしているからだそうです。地方空港も成田や関空と同じです。地の利が悪い分、空港使用料は安くてすむはず。そして、従来の乗客を取り合うだけでなく、今まで旅がしにくかった乗客を獲得することこそが、LCCが成功する極意だと思います。