第17回
60歳からの歯列矯正
2012.08.07 [松本 すみ子]
ある日突然気がついた!
若いころ、私が自慢できるところといえば、目と歯だったのです。「目が大きいね」と言われると嬉しくて、人と話をする時などは、目力を入れて相手を見つめたものです。しかし、今では写真を撮ると、半開きのうつろな目が写っていることも。まあ、仕方ないか。精一杯、見開く努力をいたしましょう。
そして、歯です。歯医者さんからは子供の頃に「しっかりして歯並びもいいし、親に感謝して、大事にしなさいね」と言われたことがあります。それで油断したのですね。30代から40代は仕事が忙しかったこともあって、文字通り“歯牙にもかけず”状態。歯医者に行くことはありませんでした。そして、40代後半のある日、鏡をみた時に突然、下の前歯がガタガタになっていることに気が付いたのです。
「いつの間に?」というのが、その時の心情です。口の中にしっかり納まっていたはずの前歯のうち1本が妙に前に飛び出しています。歯が1本多いという感じです。歳を取るにつれて顎が小さくなったのでしょうか。それ以来、とても気になるようになりました。
それからは定期的に歯科医を受診。すると虫歯はないものの歯槽膿漏になりそうな部分も見つかりました。30代、40代の20年間の油断で、歯は相当あやうい状態になっていたらしい。
そして、歯医者に通ううちに、貼ってあるポスターなどの歯列矯正の文字が気になるようになりました。私は独立して会社を興してからは、自治体や企業が主催する講座やセミナーでお話しする機会が増えています。つまり、人に見られているということです。これは放っておけない。
そこで、先生に「歯列矯正ってどうなんでしょうね」と聞いてみました。「どうなんでしょう」と言われた先生は困ったかもしれないのですが、「どこか気になる部分がありますか」と聞いてくれます。そして、専門の先生の相談を受けては?というアドバイス。この歯医者は毎月、矯正専門の先生を呼んで相談日を設けていました。
コメント