第19回
シェアハウスを見に行く
2012.09.11 [松本 すみ子]
理想のシェアハウス
現在では、シェアハウスといえば、主に若い世代を対象にした物件が多いようです。しかし、今回の見学で、今後はシニア世代にも大いに普及してほしいシステムだと思いました。一人暮らしのお年寄りが仲間を募って、1軒の家に住むことができたら、どんなに楽しく、心強いことでしょう。もちろん、お年寄りだけでは不安があるので、地域全体で見守る必要があります。でも、一人暮らしよりは大勢でいるほうが安心です。また、見守る側もとっても、何件も回らなくて済み、その分密度の濃いお世話ができます。
日本では今後、「貧乏ばあさん」が増えるのではないかと懸念されています。日本の女性は今まで専業主婦が多く、就業率が低かったり、働いていてもパートなどの割合が高く、年金などの社会保障を十分にもらえず、高齢女性は「貧乏ばあさん」になる確率が高いと指摘されているのです。こうした人たちの一人暮らしでの経費の無駄も省けるのではないでしょうか。
しかし、高齢者だけで暮らすというのは、いかにも古い考えです。私は、いろいろな世代の人たちが普通に町の中で暮らせるシャアハウスがほしいと思います。
2001年に放送されたNHKの朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」を覚えていますか。主人公の家族は、子供からお年寄りまで世代を超えた人たちが部屋を分け合って、1軒のお屋敷に住んでいました。食事時には、皆が食堂に集まって、まるで家族のようにおしゃべりしながら食事をし、誰かに何か問題が起きると、皆が一緒に解決にあたっていました。理想のシェアハウスとは、こういうものではないでしょうか。
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