松本すみ子の「@シニア」

バックナンバー

第26回
コンシューメーカーの時代 ~“作って楽しむ”から、“作って売って楽しむ”へ

展示会やネットも気軽で簡単に

こうした個人のものづくりの発表や販売ができる展示会が盛んになってきました。例えば「デザインフェスタ(※2)」。1994年から始まっていて、年に2回、5月と11月頃に開催されています。今では出展者1万人、来場者6万人というイベントに成長しました。その要因はなんといっても、出展料の安さ。幅1.8m×奥行0.9mという基本ブースが1万円前後で借りられるのです。2日間借りても2万円程度という気軽さ。これなら、ちょっと出展してみようかという気になります。
私は2011年の春に見に行ったのですが、売らんかなのブースもありましたが、自分の作品が人に見てもらえる、買ってもらえることが嬉しいというのんびりしたブースが多く、好感を持ちました。
もちろん、男性向けもあります。もともとはアメリカのサンフランシスコで開催されていた電子工作中心の「メイカーフェア」という展示会が、昨年日本で開催されました。「キテレツ発明品まつりのメイカーフェアは役に立たないのが楽しい!」というコメントが表すように、出展者が楽しんでいるのは間違いないようです。
また、ネットで売りたい人のために、気軽に自分のショップが作れるサイトができています。「ストアーズ・ドット・ジェー・ピー(※3)」「マイクロストア(※4)」、ヤフーのショッピングサイト(※5)などがそうです。
たとえば、ストアーズの場合は、ID、メールアドレス、パスワードの三つを入れれば自動的に自分のショップができ、そこに商品の写真、商品名、商品説明を入力すれば、もうオープンという手軽さ。お客さんはクレジットカードも使え、販売した代金は自動的に指定の口座に入金されます。しかも、利用料は基本的に無料。私もそのうち何か販売してみたいという気になりました。
手づくり作品の材料や道具の販売の老舗・ユザワヤも「ハンドメイドマーケット(※6)」という会員制の販売サイトを運営中です。
自分の作品を発表することや販売する楽しさに目覚めてしまったコンシューマーは、確実にコンシューメーカーへの道を歩み出し、この動きはこれからもとどまることはないでしょう。もともと器用な日本人。日本のものづくりはこうした草の根レベルの活性化で盤石なものになっていくのだと思います。

※1 私の十八番 http://watashinoohako.com/
※2 デザインフェスタ http://designfesta.com/
※3 ストアーズ・ドット・ジェー・ピー https://stores.jp/
※4 マイクロストア http://site.microstore.me/
※5 ヤフーのショッピングサイト http://business.yahoo.co.jp/shopping/
※6 ハンドメイドマーケット https://friend.yuzawaya.co.jp/mp_help.php?cccc2/?creacomp_yz_121001_1

コメント