松本すみ子の「@シニア」

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第30回
地域デビュー心得12カ条(その1)

地域デビューは現役時代から

このところ、今までとは一味ちがった地域デビュー講座の講師を依頼されることが多くなりました。むろん、地域デビュー講座は今に始まったことではありません。以前は、リタイア前後の世代に向けて、定年後の生きがいのための準備講座という意味合いが濃厚でした。最近は、年齢に関係なく、現役かリタイア世代か、学生か社会人かといったことも関係なく、わが町のために活動する人材を発掘しようという意図に変わってきています。
とはいえ、現役世代にとっては、仕事をしながらの地域デビューは難しいところ。しかし、今から少しずつ地域社会に関わっておけば、仲間や活動が見つかるだけでないメリットも得られるのです。それは防犯・防災の観点で顕著です。
災害の多い日本。地震による家屋の倒壊・火災、津波・浸水などの自然災害は誰にでも可能性があります。自分一人で、あるいは家族だけで、これに立ち向かうことはできません。また、一人暮らし世帯の増加、オレオレ詐欺、子供たちを狙った犯罪、空き巣、放火など、いつ自分がその被害に遭うかわからないものがあります。万一の場合には、地域の皆が一体となった解決への取り組みが必要です。
そんなときに、助けを求めたり、お互いに助け合える仲間がいたりすること、また、そうした時に役立つ地域の状況や情報を知っているということは、とても大事なことだといえます。
一方、地域活動に入りやすいはずのリタイア世代にも、地域デビューに苦手意識があります。会社にいた時の常識や発想から離れることができず、なかなかうまくいかないのです。だからこそ、地域デビュー講座があるのですが。
そんな方々のために、私は「地域デビュー心得12カ条」を作り、講座でお話ししています。それを基に、地域デビューのコツを2回に渡って紹介することにしましょう。


1. まず行動する

誰かから声を掛けられるのを待っている人は案外多いものです。臆病なのか、おっくうなのか。しかし、自分から動かないと何も始まりません。ある日突然、天から仲間や活動が降ってくるということはないのです。まず自分が動くこと、自分から働きかけること。それで、他の人が反応し、ものごとが動き出すのです。静かな池に、自分の手の中にある石ころを一つ投げ入れる。すると、波紋が広がっていきます。人とのお付き合いや活動はここから始まるのです。

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