第30回
地域デビュー心得12カ条(その1)
2013.06.11 [松本 すみ子]
2. 地域の探検散歩に出かける
でも、自分から動くといってもどうしたらいいのでしょうか。知り合いがいないの、誰かれ構わず声をかけるわけにもいきません。そういう場合は、町歩きから始めましょう。歩くことは健康にもいいので一石二鳥です。
まずは自宅の近辺を探検です。いつもの散歩ではだめです。行ったことのない場所に足を向けてみましょう。町を探検するつもりで、いろいろと探ってみてください。知っているつもりでも、その気になって眺めてみれば、こんなところにこんな店があったのかとか、 この通りの植樹はあまり手入れがされてないなとか、この公園は子供が遊ぶには不用心だなとか、ここは子供連れのママたちがよく集まる場所らしいとか、いろいろなことが見えてきます。
男性は、食材や日用品の買い物担当を引き受けるのもいいでしょう。おススメはスーパーではなくて商店街です。なぜなら、商店ではスーパーのように無言で買い物はできないから。そうした店で何度か買っていれば、お店の人と顔なじみになり、世間話を交わすようになるかもしれません。そうなれば、町は今までと違って見えてくるはずです。
3. 自治体や町会主催のイベント・行事に参加する
多くの自治体は市民のために、区民大学とか市民カレッジのような形で、誰もが参加できる多彩な講座やイベントを開催しています。地域デビュー講座のようにまじめなものもあれば、趣味や教養講座、資格を取れる講座などもあったりします。有り難いことに、こうした講座の受講料は無料またはわずかな金額です。これを利用しない手はありません。
こうした講座は、新聞を取っていれば折り込み広告と一緒にもれなく配布される市報や区報に掲載されています。市報や区報は、講座案内だけでなく、多くの重要な情報も掲載されているので、必ず目を通すようにしましょう。
関心のあるテーマがあれば、ダメもとでとにかく参加してみる。そうすれば、知識だけでなく、そこで仲間となれるような人と知り合うことができるかもしれません。一人でも知り合いができれば、そこからお付き合いは広がっていくものです。
町内会・自治会も忘れてはなりません。町内会に加入していますか。最近は、町内会に参加する人が減っていて、お祭りのおみこしの担ぎ手や消防団のなり手がないなど、町会や自治会運営に支障をきたすところも出てきています。特にマンションなどの集合住宅の場合は、マンションの管理組合や自治会に入っているから大丈夫と思っていますが、町内会は別のものなのです。先にも書いたように、防災・防犯の観点からも、町内会への加入は必須。こちらも300円、500円といったわずかな月会費なので、さっそく、チェックしてみてください。
4. 好きなこと、やりたいことを考える
地域での活動は仕事ではありません。だから、自分が気になること、好きなこと、やりたいことを始めればいいのです。当たり前のことですが、この頭の切り替えが意外に難しい。仕事では、自分が好きなことをやれるのは、むしろまれでしょう。お客さんがいて、上司がいて、売り上げや利益を上げなければなりません。だから、我慢して嫌なことや気の進まないこともします。むしろ、いい評価を受けたいがために、率先して自分の気持ちを押し殺してしまうようになったりします。
地域活動は誰のためでもなく、基本的には自分のため。義務感や責任感は脱ぎ捨てて、素直に、自分のやりたいことや好きなことを思い出してみることです。子供の時や青春時代に好きだったこと、仕事にかまけてできなかったこと。そうしたことのほうが地域活動には結びつきやすいのです。
今回はここまで。次回は第5条から12条までを解説します。
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