第9回
野菜の色が持つパワー
2011.08.09 [大西 ひとみ]
緑、赤、紫、橙、濃青色…。野菜にはたくさんの「色」がありますね。
そこで今回は、色にまつわる野菜の効果についてご紹介します。野菜の色には、健康や美容に効果のあるパワーがたくさん秘められているのです。
まず、緑黄色野菜には、「カロテノイド」という色素が多く含まれています。
カロテノイドは、抗酸化作用が強く、ファイトケミカル(フィトケミカル)の一種です。ファイトケミカルとは、植物が紫外線などの有害物質から身を守るため、自らが作り出した化学物質のこと。この物質が主に、植物の色素や香り、苦み、渋みのもとになっているのです。
さて、カロテノイドの種類には、αカロテン、βカロテン、クリプトキサンチン(αとβ)、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチンなどがあり、それぞれ以下のような野菜に多く含まれています。
●α・βカロテン
ニンジンやカボチャなど黄色や橙色の野菜
●βクリプトキサンチン
かんきつ類
●リコピン
トマトのような赤色の野菜
●ルテイン・ゼアキサンチン
ほうれん草やブロッコリーなど緑色の野菜
緑色の野菜には、クロロフィル(葉緑素)という緑色の色素が多く含まれ、これも抗酸化作用があります。
αカロテン、βカロテン、βクリプトキサンチンは、体内でビタミンAに作りかえられ、プロビタミンAとして作用します。ビタミンAは、皮膚や粘膜を保護して免疫機能を高める効果があるので、肌が乾燥しやすい人や、風邪を引きやすい人は、積極的に摂取することをおすすめします。
また、緑黄色野菜には、「フラボノイド」という色素も多く含まれています。
フラボノイドは、ポリフェノールの一種で、カロテノイドと同じく抗酸化作用があります。
ナスの濃青色や紫キャベツなどの紫色は、ブルーベリーの色素と同様、フラボノイドの中の「アントシアニン」類に属します。アントシアニンは、抗酸化作用があるだけでなく、目の健康維持に効果があると、近年報告されています。
白菜やセロリ、タマネギのように、白から淡黄色の野菜には、抗アレルギーや抗炎症、記憶学習の向上などの効果があると、動物実験によってわかっています。また、脂肪代謝の改善作用もあるといわれていることから、ダイエットにも有効な野菜と考えられますね。
このように、さまざまな色の野菜を摂取することは、さまざまな病気の予防や老化防止、美容に役立つのです。
コメント