第15回
ファイトケミカルとは?
2011.11.08 [大西 ひとみ]
近年、「微量栄養素」が注目されていますが、その中で「ファイトケミカル」という物質は、特に注目を集めているように思います。ファイトケミカルは、植物に含まれる抗酸化作用の強い物質で、老化を抑制できるのではないかと期待されています。
ファイトケミカルという言葉がピンと来ない方でも、「大豆イソフラボン」、「セサミン」、「フラボノイド」、「カテキン」、「リコピン」、「ポリフェノール」などは聞いたことがあるでしょう。これらは皆、ファイトケミカルの一種です。
今回は、その中でも私が特にダイエットに効果があると思う「リコピン」、「アスタキサンチン」、「ショーガオール」、そして「クロロゲン酸」について解説します。
リコピン
トマトやスイカに含まれている赤い色素が、リコピンです。トマトはもちろん、トマト水煮(缶詰)やトマトソースといったトマト製品に特に多く含まれ、このような加工品の方がリコピンの吸収率が高いのです。
リコピンには、中性脂肪が脂肪細胞に蓄積されるのを抑制したり、血糖値を正常に保つなどの作用があります。
アスタキサンチン
エビやかにの甲羅や、鮭やますなどの身、またいくらなどに含まれる赤い色素が、アスタキサンチンという生理作用を持つ物質です。美白や美肌作用があるだけではなく、睡眠をコントロールするメラトニンの酸化を抑制する作用があるので、不眠症の改善にもつながると考えられ、現在研究が進められています。
ダイエットには直接効果がないように思われるかもしれませんが、睡眠不足は脂肪の蓄積を増長させるので、アスタキサンチンによってしっかり眠れる状況を作ることは、すなわちダイエットにつながると私は考えます。
ショウガオール
ショウガの苦味成分の一つが、ショウガオールです。腸管から吸収されて血行を促進し、体を温めて冷え性を改善する効果があります。また代謝を良くしてくれるため、ダイエットにも有効です。
クロロゲン酸
ダイエットに効果的と注目されていて今後の研究が期待されているのがクロロゲン酸です。コーヒーや赤ワインに含まれているポリフェノールの一種で、苦味成分の一つです。ごぼうやサツマイモなどにも含まれています。血糖値の上昇を抑制したり、生活習慣病を予防したりする効果があるのではないかと言われてます。
コーヒーに含まれるクロロゲン酸は、焙煎によって含有量が変化します。深煎りすると少なくなり、時間をかけて抽出すると増えるといわれています。
ファイトケミカルは、一種類だけ摂取するより、複数種類を組み合わせて摂取した方が効果的です。ですから、ダイエット効果のある食材を多く取り入れる食事を心がけましょう。
私たちの体は、呼吸し続ける以上、酸化していくことは避けられません。加齢とともに、本来備わっている活性酸素を抑制する機能も低下します。運動をすることは、健康でいるためのメリットをたくさん与えてくれますが、酸素を多く取り入れることにもなるので、酸化が進んでしまうことにもなります。
そこで、抗酸化作用のあるファイトケミカルを積極的に摂取すれば、体を動かしても老化を抑制することができ、いつまでも若々しく健康な体を維持することができるのです。
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