第5回
【オクラ】梅雨時期の「気象病」予防にオクラ納豆丼
2015.06.26 [三輪 桃加]
梅雨の時期は、気圧の関係で体がむくみやすく、頭痛やイライラなど、不定愁訴(ふていしゅうそ)と呼ばれる体調不良が、健康な人でも起きやすいと言われています。こういう症状を「気象病」や「天気痛」とも呼ぶそうですね。
食欲が落ちてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、そんな時は、ネバネバ野菜の代表格「オクラ」を頂いてみましょう。
■「オクラ」の歴史
原産地はアフリカ北東部と考えられており、紀元前にはエジプトで栽培が始まっていました。数多くの遺跡からオクラの種が発見されています。アメリカ南部やアフリカ大陸でも生産が多く、様々な調理に使用されています。日本に伝わったのは、明治時代に入ってからですが(諸説あり)、食用として普及されたのは、1960年代からです。当時はネバネバ食感がまだ珍しく、避けられていましたが、今ではその食感が人気となり、全国各地で栽培されるようになりました。
■「オクラ」の特徴
オクラは暑い地方ほど種類が多く、沖縄や高知などでは、オクラの角が取れた「丸オクラ」が主流です。またハイビスカスと同じアオイ科であることから、暑い地域での栽培に向いているようです。オクラは寒さに弱く、少しの露でも枯れてしまうので、冬時期に出回るオクラは温室で栽培されています。オクラは、グリーンの細かい網状の袋に入れてパッケージ化されていますが、それは、表面が黒くなりやすいためです。傷みがひどいわけではないので、体に害はありませんが、スーパーでのお買い物の際は、極力黒っぽいものは避けて買うようにしましょう。オクラは表面に薄い産毛のようなものもついています。加熱調理する際は、そのままでも構いませんが、生で食べる場合は、オクラを洗ってからまな板の上で塩を適量かけ、「塩ずり」するといいでしょう。
■「オクラ」の栄養など
オクラのネバネバ成分は「ムチン」という成分で、胃腸や、体内の各器官の粘膜を丈夫にし、荒れた胃腸などを修復する効果が期待できます。また胃腸の働きを良くする働きもあり、少量の摂取で満腹感を感じることができるため、食欲のない梅雨時期にも食べやすい野菜です。
そして「ムチン」は皮膚のヒアルロン酸に働きかけて保水力を高める効果も期待できます。雨の日や曇り空でも紫外線ダメージを受けるので、しっかりと摂取して皮膚も健康にしておきましょう。保水性も望めるので、暑い日の脱水症状の予防にもなります。
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