第6回
夏の体温調節に嬉しい野菜「茄子」の簡単作り置きレシピ
2015.07.22 [三輪 桃加]
夏の代表野菜の一つ「茄子」。焼き茄子や麻婆茄子、お漬物など茄子ならではの伝統の食べ方も多く残されていますね。茄子は熱い夏の体温調節にもピッタリで、疲労回復効果も望めます。縁起のいい野菜としても親しまれている茄子の魅力を簡単レシピと共にお伝えします。
■「茄子」の歴史
ナス科ナス属の植物で原産国はインド。(諸説あり)旬は夏ですが、ハウス栽培などで年中出回るようになりました。インドでは紀元前から栽培されている古い野菜の一つで、日本には東南アジアや中国大陸を経て古墳時代(4~6世紀)には既に栽培されていたと考えられています。また地中海沿岸を経てヨーロッパにも伝わっており、イタリアでは、日本とは違い、紺色と白がシマウマの模様のようになっている(ゼブラ柄)ティグリナ茄子などが主流です。
日本では、「茄子紺」という色名ができるほど、野菜の中で一番光沢の良い野菜と言われています。また奈良時代に正倉院に献上されたとの記録も残っており、「一富士二鷹三茄子」という諺にあるように縁起の良い野菜としても親しまれています。「秋ナスは嫁に食わすな」という茄子の有名な諺がありますが、その意味は、「美味しいので嫁に食べさせたくない」という嫁いじめの説と、「体を冷やしやすく体調が心配なので食べさせるな」という労わりの説があるそうです。地域によって茄子の形や色も様々ですが「中長茄子」という品種が日本では一般的です。
■「茄子」の特徴
茄子は種類が豊富で、一般的な「中長茄子」をはじめ、「長茄子」「加茂茄子」「小茄子」そして真っ白な「シルクナス」(白ナス)、ゼブラ柄の「ティグリナ茄子」、ヘタが緑の「米茄子」があります。味はどの品種もあまり変わりませんが、加茂茄子や米茄子は皮がしっかりとしていて揚げ物などに向いていると言われています。切ると変色するので、すぐに調理するか、水にさらすようにしましょう。
茄子を買う時のポイントとしては、茄子のヘタの部分に、ピンとしたトゲがあれば新鮮な証拠です。トゲがしんなりしていると収穫してからしばらく経っていると考えられます。また茄子の下の方が茶色く硬くなっている部分がありますが、路地栽培(ハウス栽培ではない)されている証拠でもあり、茄子の旬の終わりを告げていると伝わっています。秋茄子に多く見られますが品質や味に問題はありません。調理の際はその部分だけカットしてください。
■「茄子」の栄養など
カリウムが豊富なので疲れを取る野菜の一つと言われています。また90%が水分で、体を冷やす効果も期待できます。炎天下の中のお出かけ前に茄子を食べておくと、体がひんやりとしますが、冷房の効いた部屋にいると冷えの原因になるので、体を温める効果が期待できる、「生姜」「ニンニク」「玉葱」「ネギ」「唐辛子類」などと一緒にとるようにしましょう。
茄子特有の「ナスニン」というアントシアニンの一種である成分が含まれ、疲れ目やドライアイなどの予防や改善食にも向いているでしょう。
日本では古来より、茄子は歯痛や歯茎のハレ、扁桃炎(喉の痛み)に効くと伝わっていた説もあり、薬用としても親しまれていたようです。
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