旬の野菜と歴史 毎日の食事に取り入れる簡単野菜レシピ

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第12回
和食の基本「カボチャ」の煮物とカボチャの歴史

夏に収穫して熟成されたカボチャは秋が食べごろ!表面がゴツゴツしたカボチャほど甘く美味しいお料理が堪能できるでしょう。10月はハロウィーン、日本では年末の冬至など、カボチャは世界中で愛されている、和食にも洋食にも欠かせない野菜の一つです。


■「カボチャ」の歴史

ウリ科カボチャ属の野菜で緑黄色野菜になります。近年、古代マヤ文明の頃と推察されるカボチャの種が中南米の遺跡から見つかっており、原産国はインドや南アジアという説が、中南米説に傾倒しているようです。古代のカボチャは果皮が薄かったため、カボチャの種が主に食べられていました。また、土器が発明されるまでは、大きなカボチャは中身をくりぬき、乾燥させて、モノ入れや、食器として使われていたという言い伝えも残っています。
時代の流れと共に、土地を耕して“栽培”するという知恵がつき、人間が住むようになった土地風土は変わっていきました。カボチャの実も次第に甘くなり、食用として栽培されるようになりました。
日本にカボチャが伝わったのは、諸説はありますが、1540年代に大分に漂流したポルトガル船からだと言われています。日本で栽培が始まったのは、1570年代頃から。現在、スーパーなどでよく見かける品種は、“西洋カボチャ”と呼ばれるもので、1800年代に入ってからアメリカから伝わったもの。全国各地で収穫されています。しかし、地域によって形や果皮に特徴のあるカボチャもあり、様々な品種も出てきています。

■「カボチャ」の特徴

カボチャの収穫の旬は夏になりますが、食べごろの旬は秋~冬にかけてです。夏に収穫したカボチャは表面がツルツルとしていて、まだ水分が多く、熟成されていないので、調理しても水っぽく調味料の味も浸透しにくいかもしれません。カボチャはカットせずに丸ごと保存しておくと、数か月日持ちすることから、世界中で、貴重な保存野菜として冬の栄養源として役立っていました。日本でも年末の冬至で食べられたり、10月末のハロウィーン文化もアメリカから伝わって、秋からカボチャ料理が旬として食べられるようになりました。
カボチャの食べごろの見分け方ですが、表面がゴツゴツとして、ヘタの部分が枯れて、干からびたような状態になっているほど、糖度が高く、調理しても甘く感じます。カボチャを買う時は、表面がツルツルしているものよりもゴツゴツしたものを選ぶと美味しく頂けるでしょう。

■「カボチャ」の栄養など

カボチャの鮮やかなオレンジ色はβ-カロテンやビタミンEが豊富な証拠です。加熱すると芋類のように炭水化物化するので、栄養計算などでは、野菜よりも炭水化物として分けられることもありますが、炭水化物にプラスして、先述のβ-カロテンやビタミンEが摂取できるので、風邪をひきやすい秋冬には、喉や鼻の粘膜を健康に保ち、風邪などの予防食となるでしょう。乾燥肌対策にも◎です。他に食物繊維や、ほのかな甘み成分の中にはオリゴ糖も含まれるので、腸のお掃除にも最適です。カボチャの煮物や天ぷらなど和食でも食べられていますが、ポタージュスープや、洋菓子など、洋食にもよく登場し、どんなジャンルのお料理にもあうのも人気野菜の秘訣でしょう。



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