旬の野菜と歴史 毎日の食事に取り入れる簡単野菜レシピ

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第24回
梅雨時期の風物詩「ソラマメ」で作るオーロラソース和え

6月に入ると南の地域から順に梅雨時期に入り、気圧が不安定になりますね。身体も一年で一番むくみやすい時期と言われています。そんな季節に応じた悩みは、旬の野菜で解決できるかもしれません。初夏の時期に一斉に市場に並ぶソラマメがその一つでしょう。7月になると姿を消してしまう、旬が短い野菜なので、梅雨時期の風物詩とも呼ばれています。

■「ソラマメ」の歴史

「ソラマメ」は形が蚕の繭に似ているので、漢字では「蚕豆」と書きます。日本では奈良時代に中国から伝わり、古くから親しまれてきた野菜の一つです。空に向かって莢(さや)が実るため「空豆」とも言われています。原産地は、エジプトやカスピ海周辺、ペルシャなどと伝わっており、特定はできていません。世界的には、古くから栽培されていた野菜の一つと考えられており、紀元前4,000年頃のものと思われる「ソラマメ」の化石がピラミッド内やメソポタミアの遺跡から発見されています。

■「ソラマメ」の特徴

ソラマメは、莢(さや)から出すとさらに分厚い皮に覆われて実が包まれています。茹でる時に無理に取ると、形が崩れるので、そのまま茹でるといいでしょう。
ソラマメは皮の周りの一部に、3mm程度の黒い楕円点があります。それを茹でる前に、V字に切り込みを入れると、熱の通りも良くなり、調理の際、味が染み込みやすくなります。皮を除いて、中の実だけをいただく時も、大変食べやすくなります。

ソラマメは莢の大きさは10~15cmほどの長さで、豆粒は3つまたは2つ入っているのが特徴です。莢は黒くなりやすいので、なるべく莢が緑の新鮮なものを選ぶようにしましょう。他の品種としては「赤ソラマメ」と呼ばれるものがあり、形は通常のソラマメをそのまま6~7cmの大きさにミニチュア化し、中の豆粒は小豆色をしたものがあります。枝豆ほどの大きさで、高級野菜としてデパートの野菜売り場などで手に入るでしょう。

■「ソラマメ」の栄養など

6月は、梅雨時期の気圧の変化が原因で、イライラや、不眠症に陥る人が増えてきます。「ソラマメ」にはナイアシンや鉄分と言った成分が含まれており、精神安定効果が望めます。またカリウムという利尿作用が期待できる成分も入っており、ムクミ改善にも適しています。加熱するとタンパク質が増えるので、植物性タンパク質の摂取源ともなります。腹持ちもいいので、おつまみやおやつにも適しているでしょう。



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