名医に聞く

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第1回
〈アルツハイマー病(認知症)〉 診断法はあと5年、治療法は10年で確立するかもしれない

治療薬の状況――
4剤体制に、選択肢が広がる

2011年は、日本のアルツハイマー病治療にとって特別な年といえる。1999年の「ドネペジル(商品名:アリセプト)」発売以降、この1剤しか使えない状況が続いていたのだが、ようやく「ガランタミン(商品名:レミニール)」と「メマンチン(商品名:メマニー)」という2種類の飲み薬と、「リバスチグラミン(商品名:ノバルティスファーマ)」という貼り薬が承認され、使えるようになるのだ。

ただし新たな薬が承認されたからといって、従来は1年から2年だった効果が3年とか5年に延びる・・・というようなことは起こらない。だがそれでも、治療薬の選択肢が広がる意義は大きい。

「ガランタミンは軽度から中等度、メマンチンは中等度から高度、というように適応が異なるので、たとえば軽症の患者には、ドネペジルかガランタミンのいずれかを処方。それでも症状の進行が見られたら、ドネペジルを増量するか、メマンチンに切り変える。あるいはドネペジルやガランタミンにメマンチンを追加するというようなことが可能になる。
またアリセプトに見られる、吐き気や嘔吐などの胃腸障害や、イライラしたり怒りっぽくなるといった副作用は、ガランタミンやリバスチグラミンに変えてみると軽くなることもあります。
薬との相性もありますから、選べるようになるのは、患者さんにとっても、我々医師にとっても、ありがたいことなのです」(新井教授)

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