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第17回
〈帯状疱疹〉難聴、失明などの合併症が残ることも 早めの受診・治療開始が大切

乳幼児との接触機会の多さが免疫力強化のチャンスにつながる

帯状疱疹の原因は子どものときに感染した水ぼうそうのウイルス。水ぼうそうが治っても神経の中の神経節という部分にウイルスは潜んでいる。普段は活動しないが、加齢やストレス、妊娠、がん、糖尿病、ステロイドの内服薬の常用、人工透析などによって、免疫力が低下してくると再活動して、帯状疱疹として発症する。

発症のピークは20~30歳代と、50~60歳代の2回。

「発症には、水ぼうそうによって獲得した“水痘-帯状疱疹ウイルスに対する特異的免疫(メモリーT細胞)”の減少が大きくかかわっています。メモリーT細胞は時間とともに減少し、およそ20年でかなり減少することが判っています。そのため免疫力が下がり、20代~30代で一度発症のピークがくるわけです。30代~40代で発症する患者さんが減るのは、子育て世代にあたるからです。周囲に水ぼうそうにかかった乳幼児がいた場合、本人もそれと気づかないうちにウイルスを体内に取り込むため、メモリーT細胞が再び増えて、帯状疱疹に対する免疫力が強まるのです。50代以降に2回目のピークがくるのは、歳とともにメモリーT細胞が減少することと乳幼児と接する機会が減ることが影響していると考えられています」(本田医師)

昨今、日本では、帯状疱疹を発症する人の数が年々増加傾向にある。理由の1つは高齢者が増えたこと。さらに…

「結婚年齢が上がったり、結婚しない人が増えているといった理由で、20代~30代の人が水ぼうそうの子どもに接する機会が減少しています。これは見方を変えれば、水痘-帯状疱疹ウイルスの免疫を強化するチャンスが少なくなっているということでもあるのです」(同)

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