第24回
尿もれは治療可能。泌尿器科できちんと治したい
2012.07.10 [「病気・病院・医者」]
受診前には「排尿日記」の記入がおすすめ
適切な治療を受けるには、くわしい問診が不可欠だ。
「病院を受診すると決めたら、ぜひ書いていただきたいのが、排尿日誌です。1日の間にどれくらい水分を摂取しているのか、1日のうちにどれくらいトイレへ行き、どれくらい排泄(はいせつ)しているのかを記録してください。そうすれば、問診で医師に、必要な情報をしっかりと伝えられます。病歴や投薬の有無なども整理しておくといいですね」(同)
問診のあとは、せきなどをして尿もれを調べる「ストレステスト」、膀胱や尿道の動きを調べる「Q-tipテスト」、尿もれの量を調べる「パッドテスト」、膀胱や尿道の形態をみる「鎖膀胱造影」、排尿の様子や勢い、尿道の閉じる圧力等を調べる「ウロダイナミックスタディー」といった検査を行う。
いずれも、尿失禁のタイプや治療法等を見極める上で欠かせない。
「私が特に重視しているのはウロダイナミックスタディーです。この検査によってTVTとTOT、どちらの手術が向いているかということが分かります」(同)
さて、検査をし、適応があえば手術をし、これでもう大丈夫…と思ったら、術後の患者には「尿もれは治ったが、今度は排尿困難になってしまった」というケースが意外と多いらしい。
これは、手術の際に、テープを強めに張り過ぎてしまうことで起きる。
いわば水道の蛇口を、きつく締めすぎてしまったような事態だ。
経験が少ない医師ほど、尿失禁の解消をめざしすぎて、テープをきつめのテンションにしてしまうことがあるらしい。
「私は、排尿困難も尿失禁もない、ちょうどよさをめざしたいと思っています」(同)
診療成績の数字には表れないこんな部分にこそ、患者の予後に対する医師の姿勢と熟練度があらわれる。
尿失禁で受診する場合には、術後の排尿のことまで細かく「口コミ」を集めて、評判のいい医師を選びたい。
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