第12回
〈脳卒中〉(1/2) 寝たきり原因トップの疾患 治療法や薬は加速度的に進化中
2011.10.25 [「病気・病院・医者」]
治療は時間との勝負 MRIや脳血管撮影検査はぜひ受けたい
発作が起きて救急車で運ばれた際、最初に行われるのはCT検査とMRI・MRA検査だ。MRI検査では脳のあらゆる方向・角度から切り取った断面図を、MRA検査では血管のみを抽出した立体画像を得ることができる。特にMRA検査は、自分の脳血管がどうなっているのかを、頭蓋骨を消した画像で見ることができるので非常にわかりやすい。
「CT検査は、脳出血やくも膜下出血の急性期の診断に役立ちます。ただしCTでは、血管の詰りは発症から6時間ほど経過しないと所見がでないので、CT検査で何もでないものの手足に麻痺が見られる場合には脳梗塞を疑い、ただちにMRI・MRA検査をペアで行います。発症してからの時間が短ければ短いほど回復率が上がる脳梗塞治療は時間との勝負。診断にもスピードが要求されます。うちの病院の場合は脳梗塞発症(片側手足の麻痺、言語障害など)から約5分以上経っていれば、どの血管が詰まったのかまで、ただちに診断がつきます」と多摩総合医療センター・脳神経外科の水谷徹医師は言う。同病院は、東京都の脳血管障害重点病院に指定されており、この分野の治療では全国に名前が知られている。
一方急性期以外の検査では、頚動脈超音波検査、脳血管造影(カテーテル)検査、脳血流検査(SPECT)などがあるが、昨今、現場でよく使われるのが血管に造影剤を注射してCTにかけるCTA検査だ。
「カテーテル検査と比べてリスクがほとんどない上に、脳血管の状態を、立体的に見ることができる検査です。特に未破裂動脈瘤や頚動脈の狭窄の精密診断で威力を発揮しています」(水谷医師)
脳ドックで異常が発見されるケースは年々増加している。40歳を過ぎたら、特に症状がなくても年に一度は定期検査を受けることをお勧めする。
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