第26回
COPD(慢性閉塞性肺疾患)。肺の生活習慣病だが全身病としてのケアが大事
2012.09.11 [「病気・病院・医者」]
重要なのは正しい診断と日常生活の自己管理
治療においてまず重要なのは、正しい診断だ。
「年のせい」と間違えられないよう、患者自身も注意が必要だ。
以下の項目があてはまる場合は、COPDを疑い、気を付けてみてくれる医師を探そう。
1.タバコを吸っている(吸っていた)
2.風邪もひかないのに咳やたんが出やすい
3.坂道をあがると息切れを感じる
4.40歳以上である
確定診断では、スパイロメトリーという肺機能検査をきちんと行うことが重要だ。これによって、肺が空気を吸いこみ吐き出せる最大量や吐き出す速さを測定し、病気の重症度を診断する。食事制限などの事前準備が必要なく、手軽に受けられる検査だ。
検査はほかに、胸部レントゲンやCT、心電図、血液検査などが必要に応じて行われる。
治療は大きく分けて6種類。
まず、COPDについてよく理解するため、医師や看護師などから説明を受ける。
そして完全禁煙をする。これは絶対に必要だ。なぜならCOPDの進行をくい止めることのできる治療は現時点では禁煙のみといわれているからだ。実際、禁煙のみでも、咳、たん、息切れといった症状は驚くほど改善するという。自分でやめられない場合は、禁煙外来を受診してみるのもいいだろう。
以下、気管支を拡張させる吸入コリン薬、長時間作用型や短時間作業型の吸入β2刺激薬、吸入ステロイド薬などによる「薬物療法」、全身を動かす「運動療法」、「栄養療法」「増悪(病気の一時的な悪化)を防ぐための風邪の早期治療やワクチン接種」を行う。
「COPDの治療は、単に呼吸器の病気としてではなく、循環器や筋肉・骨格、心理面など、全身の病気としてとらえ、治療することが望ましいと思います。
また、病気を重篤化させないためには、日常生活の中で自己管理をしっかりと行い、他の生活習慣病を合併させないことが大切なので、COPD以外の病気もきちんと診断・治療ができる病院や医師を選んでください」
COPDは予防ができ、治療もできる病気だという。怖がらす、積極的に病院を受診しよう。
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