第1回
人生を謳歌する糖尿病患者、フロム・ナウ匠・平松庚三氏の場合
2012.02.28 [「病気・病院・医者」]
アルコールもステーキも楽しめる糖尿病生活の秘密
フロム・ナウの匠、平松庚三氏は糖尿病を患っている。
10年以上前から、人間ドックに入るたび「血糖値が高め」と言われていたという。それがついに2年前、MS(多発性硬化症)で荏原病院に入院した際の検査で「立派な糖尿病です」と宣告されるに至ってしまったのだ。
それで平松氏はどうしたか?
これが、はたから見ると、まったく気にしていないように見えるのだ。
一般的に、糖尿病患者といえば、血糖値をコントロールするために、涙ぐましいと食事制限と運動に取り組んでいるイメージがあるが、平松氏の場合、アルコールを控えているふうでもないし、ステーキなどの高カロリーメニューもがっつり食べている。(ただし、本人は“ほどほど“だとのこと!)健啖家のままなのだ。
おまけに「糖尿病は僕の個性です」などとのたまう始末。
おいしいものと楽しいことの誘惑には、かなり弱そうな平松氏。
「好きなモノを我慢して、つまらない人生を過ごすぐらいなら、糖尿病を悪化させて合併症でコロッと死んだほうがマシ」と開き直っているのかといえば、決してそうではないらしい。
確かに、
「僕の理想の死に方は、1人で農作業(群馬県に畑を所有)している途中に胸が苦しくなって、作物と作物の間に倒れ込んでコロッと死ぬこと。周囲には誰も居なくて、自分は空を見上げる。小鳥のさえずりを聞きながら、ああキレイな空だな、なんて考えながら、静かにこと切れるのがいいね。早死にも悪くないよ」
と平松氏が言っているのを聞いたと証言する人もいる。いわゆる「ピンピンころり」というやつだ。
だが、糖尿病で「理想の死に方」をするのはむずかしい。
なぜなら糖尿病は、「合併症」を発症する病気だからだ。
手遅れになった合併症のうち、網膜症なら失明するし、腎症を放置すれば血液透析に陥る。
そうなれば、キレイな空も見られないし、畑仕事だってできない。唯一可能なのは、早死にぐらいのものだろう。
もちろん平松氏も、そんなことは知っている。
知ってはいるが、悲観はしていない。人生をエンジョイしている。
牧田善二医師という、実に頼もしい糖尿病専門医に診てもらっているからだ。
「牧田先生に出会えたお陰で、僕は糖尿病になっても人生を謳歌していられるんですよ。
牧田先生はね、まず理論が明快。それに血糖値を下げる療法だけでなく、合併症予防により気を配ってくれる。月一回の通院で、体調はすこぶる快調です」(平松氏)
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