第2回
すっきり美人生活を送る、元隠れ肥満の糖尿病患者Kさんの場合
2012.03.27 [「病気・病院・医者」]
牧田医師にQ! ダイエットと糖尿病の関係
Q: 糖尿病といえば肥満をイメージしますが、Kさんは決して肥満ではない健康的な体型でした。太っていなくても糖尿病になるケースは多いんですか?
牧田医師:そうですね。欧米の糖尿病患者さんには肥満が顕著に認められ、糖尿病患者の平均BMI(※)は一般人の平均BMIより高くなっています。ところが、日本人糖尿病患者さんの場合、一般人の平均BMIと同等という調査があります。
欧米人は、インスリン分泌が良好なため、肥満体型でも「糖尿病一歩手前の予備軍」で留まる。しかし日本人やアジア人などは、小太りでも「糖尿病」になり、標準体重でも「予備軍」になってしまうといわれています。
ただKさんの場合、いわゆる「隠れ肥満」だったと考えられます。
BMIが低くても内臓脂肪がたまっていれば、肥満と同じ害があるのです。これが隠れ肥満という状態です。中年以降は、同じ体重でも内臓脂肪は増える傾向があるので注意が必要です。
Q:なるほど、恒常的にダイエットを繰り返していたKさんは、見た目以上に内臓まわりが太っていたわけですね。
でも、徹底して炭水化物を減らしたお陰でスムーズにやせられた。
Kさんは、糖尿病のための血糖値管理よりも、ダイエット効果に感動していたようですが、そんなに簡単にやせられるものなのでしょうか?
牧田医師:炭水化物を減らせば必ずやせられます。肥満の根本原因は炭水化物ですからね。脂肪分=脂質でもアルコールでもないんです。これは最近の研究ではっきりしてきました。
カロリーにばかりこだわるのは間違っていますよ。
Q:お陰で順調にやせられたKさん。張り切り過ぎてやせ過ぎてしまったわけですが、やせ過ぎはどうしていけないのでしょうか?
牧田医師:炭水化物を減らしたり、運動を熱心にやったりしたのは素晴らしいんですけどね、ほどほどが大切です。
やせ過ぎると体力が落ちてしまいますし、免疫力低下の危険性が高まるので、是正しなければなりません。
私はやせている患者さんには、治療法として太ることを優先します。炭水化物の制限は行いません。健康的な体重になるまでは、炭水化物もしっかり取ってもらいます。血糖値が200mg/dlを越えてしまっても構いません。血糖値が上がりすぎてしまうようなら、薬を処方して下げますから大丈夫、と言います。
血糖値の改善よりもやせ過ぎの改善のほうが、健康上ははるかに大切なんですよ。
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