第4回
「食べ順ダイエット」で妊婦糖尿病からV字回復したRさんの場合
2012.05.22 [「病気・病院・医者」]
食べる順番を変えたら意外と楽に改善成功!
Rさんは20代、8か月になる赤ちゃんの母親だ。
結婚から3年間、特に避妊していたわけでもないのに子どもができず、
「もしや不妊症?」
と周囲も本人も心配しだしたころ、待望の妊娠。
とりわけ喜んだのは同居している夫の両親で、ことあるごとに
「お腹の赤ちゃんのために、どんどん食べて」
と勧められ、Rさんもみなぎる食欲に任せて食べていたところ、妊娠6か月目には尿糖が+++(3プラス)に。
ブドウ糖負荷試験でもひっかかり、
「糖尿病だと難産になる」
と聞かされて大慌て。知人の紹介で牧田医師のもとを受診した。
「毎食後の散歩と食事療法をするように言われて、出産を迎える日まで必死で努力しました。
それまでは甘いものを食べすぎていたし、ご飯も大盛りでがっつりいっちゃってました。必然的に体重増を止められなくて、正直、怖かったです。
お腹と太ももに、肉割れもできましたし」(Rさん)
牧田医師の勧めでRさんが実行したのは、食直後30分の散歩と、摂取カロリーを減らす+炭水化物を控える+食べ順ダイエットという食事療法。
「食べ順ダイットといっても、最初に野菜が入っているおかずやみそ汁から食べ始めるだけなんです。それだけで、肥満も血糖値も改善しちゃったんですよ。大盛り飯も、空腹感なくやめられました」
結果、Rさんの体重増加は緩やかになり、一か月後の尿糖はマイナスにV字回復。
「お陰様で、最終的に体重増は6㎏以内で済み、初産なのに3時間50分の安産でした♪」
牧田医師にQ!妊娠と糖尿病の関係
Q:妊婦は糖尿病になりやすいんですか?
牧田医師:ええ、発症リスクは高まりますよ。
妊娠すると胎盤からホルモンが分泌されるようになりますが、このホルモンがインスリンの作用を妨げる働きをすることがあるために発症します。
このように、妊娠が原因で発症する糖尿病を「妊娠糖尿病」といいます。
従来の診断基準では、頻度は2.92%でしたが、2010年7月に大規模な診断基準の変更があり、日本の妊婦さんの12.08%が発症していることが分かりました。
Q:10人に1人以上とは多いですね。治りますか?
牧田医師:出産して胎盤のホルモン分泌がなくなると完治する場合がありますが、治らないこともあります。
また最近の報告では、妊娠糖尿病の人は産後早期の6〜12週後の検査でも、5.4%が糖尿病、全体で25%に何らかの耐糖能異常が見られると報告されています。
もう1つ、妊娠糖尿病の人を定期的に11年間追求した研究では、産後11年経った平均年齢40.6歳時にはメタボリックシンドロームの発症率は27.2%であり、正常妊婦さんの8.2%に比較して明らかに高頻度に発症することが報告されています。
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