第16回
「音楽の芽は空気のようにどこにでも」
2015.11.30 [寒川晶子]
子どもが小さいときにやっておくと良いお稽古事に、「ピアノ」が毎年上位にあります。
それは、情報処理能力が成長するといわれていて、両手の指を同時に動かすこと、さらに同時に楽譜をみることで頭が活性化し、そこに加えて感情表現ができる、まさに様々な要素が盛り込まれているからです。
人間の成長に必要な動きであると同時に、認知症の予防としてもピアノのお稽古は最適と言われています。
チューリップの歌詞:
さいたさいた チューリップのはなが
ならんだならんだ、あかしろきいろ
〇演奏用にドレミ音階で
ドレミ ドレミ ソミレドレミレ
ドレミ ドレミ ソミレドレミド
〇さらに指番号を書くと
(右手の場合)
123123 5321232
123123 5321231
こうして少し書き出していくだけで、演奏という作業が情報処理そのものだと気づくのです。
数字を前にしていかにも処理するのではなく、身体に染み入るように記憶していくプロセスは、多少訓練が必要ではあるものの、記憶されたものが演奏行為へと進展する時には心の変化に寄り添うように自分の音色を奏で、不思議と歌へと変わります。
細胞の芽を覚ませ歌を生む。喜びを解放的に表現する自主性と演奏のための自己コントロールが豊かな感性を育てます。音楽という無形の宝物は、自分の心が源泉で永遠に湧き出るのです。音楽が身近に感じることができれば温泉のように身体を助けるかもしれません。
撮影:Tomonori Nambu
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